仕事に遊びに恋愛、あらゆる“充実”を貪欲に求めるオトナの男子なら、周囲から「無謀では?」と思われるくらいの高い望みを持つぐらいがちょうど良い。ファッションで言うなれば「女性にモテる」モダンでイカしたデザインと「男性にモテる」クラシックなデザインの両立。その条件を満たしたライトアウターがあったなら、いずれかを妥協してしまった周囲を出し抜く春コーデが叶うこと間違いナシだ。そこで今回は、オトナ男子の高望みに応えられる5つの“両モテ”春アウターを紹介!
オトナ男子の高望みに応える“両モテ”春アウター①“ガチミリタリー”にはない洗練された上品ムードがイマっぽくて良い!男の永世定番「M-65」ジャケット
1965年に誕生し、2008年まで米軍の現役軍服であり続けたM-65 フィールドジャケットは、男が大好きなミリタリーウェアのアイコン的存在である。男モテだけを狙うならそのオリジナルに近いものを選べば済むが、女性モテも狙っていくのであれば上品で洗練されたデザインに進化したアイテムを選ぶのが筋。そんな条件にぴったりなのが、シックなブラックが都会に馴染むM-65「NABLU」だ。タテ糸とヨコ糸で太さを変えており、さらにヨコ糸にのみ原液着色糸を採用した複雑なナイロンタフタ生地が、ガチなミリタリーアイテムにはない上品なムードを漂わせる。M-65特有の4つポケットは3つに削ぎ落とされ、胸ポケットはモダンなライフスタイルに合わせてサングラスやスマホを収納しやすいスマートなデザインに。
タトラスのジャケット9万200円、スウェット3万3000円、カットソー3万800円 (以上タトラス コンセプトストア 青山店 03-3407-2700) ベルナール ザンスのパンツ3万5200円 (シップス 渋谷店 03-3496-0481)
クラシックなのはココ!「防寒はもちろん、1秒で着こなしアレンジが叶う魅力も!M-65 ジャケットに必須な“スタンドカラー”」
M-65 ジャケットといえばスタンドカラーデザインが最大の特徴。これは元々、戦場において首元から冷たい空気が入り込むことを防ぐために付けられた機能的ディテールで、意味のあるデザインが男の心に響く。そして現代においてはその機能とともに、着こなしアレンジのツールとして活用されることも。ジップの開閉や襟を立てる・下ろすといった、ほんの1秒程度の時間でもできるアレンジで印象をガラッと変えられるため、気分によって出先でコーディネートチェンジすることも可能だ。
オトナ男子の高望みに応える“両モテ”春アウター②パッと見はクラシックでも中身はモダン。素材使いで違いを見せる現代的「モッズコート」
M-65 ジャケットと同様、ミリタリー系春アウターとして盤石の人気を誇るモッズコート。ヴィンテージアイテムで見かけるようなゴワっとした武骨な質感は男には刺さるが、女性モテを同時に求めるならいささか野暮ったさが気になる。ならばデザインはそのままに、素材使いにテコ入れした「パッと見はクラシックでも中身はモダン」なモッズコートを選びたい。その条件に当てはまるこの「DIDORA」は、高密度に織られたシャンブレー生地を採用することで生まれた、スラックスにも合うキレイな光沢が特徴。さらに、この生地はハリ感をキープするメモリー機能と撥水機能も備えており、重厚感のあるモッズコートらしい作りながらお手入れがイージーなのも現代的で嬉しい。
タトラスのコート12万1000円 (タトラス コンセプトストア 青山店 03-3407-2700) レンコントラントのニット3万7400円、ディッキーズのパンツ1万5950円 (シップス 渋谷店 03-3496-0481)
クラシックなのはココ!「これがないと真のモッズコートとは呼べない!?二股に分かれた形が特徴的な“フィッシュテール”」
モッズコートのクラシックディテールは様々あるが、意外と“らしさ”を一番感じられるのは、普段はあまり目立たない背面の裾部分だったりする。先端が二股に分かれたこの形状は「フィッシュテール」と呼ばれ、裾に縫い込まれたドローコードを股下に通して前後で結ぶために作られたギミック。これによって裾がずり上がったり捲れることを防止できる機能的ディテールだ。現代ではその機能が必要になるシーンは無いに等しいが、このクラシックなデザインは確実に男心をくすぐるはず。
オトナ男子の高望みに応える“両モテ”春アウター③まるでクラシックカーの見た目をしたEV?今昔の融合を遂げた「Gジャン」
2ndタイプのGジャンは、多くの男性が好きなヴィンテージ品やデニムブランドが手がける復刻版に多い型だが、悲しいかな、女性にはなかなかその趣味は理解されにくいのが実情。そんな時は、女性から好感を得られるイマドキでイカしたデザインを得意とするブランドに頼るのが得策だ。そこで勧めたいのがタトラスのGジャン「CASALERIO」。2ndタイプのクラシックなディテールは継承しつつ、最大の特徴であるデニム素材を大胆にもチェンジ。綿と麻、ポリエステルを混紡した生地を採用することで、天然繊維の肌触りの良さと、化繊の吸水速乾性・ストレッチ性が共存している。さらに、ウエストに追加されたスラントポケットもタトラスならではの進化ポイント。まるでクラシックカーの見た目をしたEVかのような、今昔の融合を遂げている。
タトラスのGジャン6万3800円 (タトラス コンセプトストア 青山店 03-3407-2700) ロワイヤル・メールのニット2万4200円 (シップス 渋谷店 03-3496-0481) PTトリノのパンツ4万9500円 (伊勢丹新宿店 03-3352-1111)
クラシックなのはココ!「作業着として生まれたGジャンの機能的ディテールであるフロントの“ヒダ”」
2ndタイプのGジャンといえば、フロントボタンの脇に付けられた“ヒダ”が非常に印象的。今見ると装飾的な役割を果たしているように思えるが、これはボタンを閉めた際の可動域を広げるためのアクションプリーツが正体だ。作業着としての出自を持つGジャンらしいディテールは、ツウな男性の物欲も刺激するはず。
オトナ男子の高望みに応える“両モテ”春アウター④スポーティーでレトロなデザインが苦手な女性も攻略可能!高級感あるモダンデザインが光る「トラックジャケット」
元来スポーツウェアとして着られていたトラックジャケットは、80〜90年代にRun-D.M.C.やOASISらカルチャーアイコンであったアーティストたちが服装に取り入れたことから、ファッションアイテムとしての地位を得た歴史を持つ。スポーツテイストがかなり強いため、ファッションとして浸透はしていても、それらが苦手な女性にとっては運動着やダル着に見えてしまうことも。とすると、スポーティーではあってもスポーツウェアには見えない高級感があり、レトロな印象を払拭した現代的なアイテムを選ぶのが吉。そんなデザインはまさにタトラスの真骨頂で、主張が控えめなブランドロゴのみを小さくプリントした袖のラインテープや、高級感が滲むメタルファスナーが魅力のトラックジャケット「DESIDORDO」を展開中だ。トラックジャケットらしさは最低限残しつつモダンにアップデートされたデザインは、先に挙げた懸念を持つ女性にもきっと好感を与えられるはず。
タトラスのボトルネックジャージ5万9400円、カットソー3万800円 (タトラス コンセプトストア 青山店 03-3407-2700) グラミチのパンツ1万4300円 (シップス 渋谷店 03-3496-0481)
クラシックなのはココ!「スポーツのパフォーマンスを高めるために生まれた、袖の“ラインテープ”と“ラグランスリーブ”」
トラックジャケットのクラシックなディテールとして知られている「ラインテープ」は、肩から腕にかけての耐久性を高めるための補強素材であったという説がある。また、スポーツ用に開発されたこともあって、動きやすさを補助するためにラグランスリーブが採用されているのもトラックジャケットの特徴のひとつ。「DESIDORDO」は女性モテを狙える現代版トラックジャケットだが、男性モテも妥協しないクラシックなディテールをしっかりと宿している。
オトナ男子の高望みに応える“両モテ”春アウター⑤“赤の柄”で最新トレンドにもリーチ!攻めと守りを兼ねたリバーシブルの「コーチジャケット」
最後に紹介するコーチジャケットは、ストリートやスケーターファッションの定番として人気を集める春アウター。その背景から比較的ハデなデザインも多いが、こちらのコーチジャケット「USULIO」は、シックな黒無地とインパクト大な総バンダナ柄で構成された、対極的なリバーシブルデザインを採用している。相手に合わせて、シックな着こなしとインパクト大の着こなしの両方を一着で叶えられるのは嬉しい限りだ。また、赤の柄モノは直近のピッティウオモやミラノコレクションでも多くのブランドが提案していたネクストトレンドの候補でもあるため、感度の高いモダンなスタイルを目指すのにもうってつけ。“両モテ”も狙えて最新トレンドも取り入れられるデザインは、オトナ男子の高望みにもっとも応えているアイテムだと言える。
タトラスのジャケット7万9200円、カットソー2万2000円、鞄4万4000円 (タトラス コンセプトストア 青山店 03-3407-2700)
クラシックなのはココ!「ストリートカルチャーと密接に繋がってきた“バンダナ”柄」
元来はアメフトのコーチが着用していたアウターであるコーチジャケットは、ヒップホップアーティストが着用したことからストリートファッションとして浸透。バンダナも、ヒップホップやスケーターファッションに取り入れられながらストリートカルチャーと密接に繋がってきたクラシックなアイテムのひとつであるため、その2つがマッチするのは当然だと言っても過言ではないだろう。そんな両者をかけ合わせた「USULIO」のバンダナ柄生地は、50年代〜80年代のUS製ヴィンテージバンダナをスキャンし、パッチワーク状にプリントしたもの。そこに洗いっぱなしのような風合いを出せるワッシャー加工をかけることで、色褪せたヴィンテージの雰囲気や色の濃淡をリアルに表現している。