名前が一文字違いでデザインも比較的似ていることから、間違われやすいアイテムの筆頭である「スカジャン」と「スタジャン」。どちらも“〜ジャンパー”という単語を略した名称であるが、その背景はまったくの別物だ。
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スカジャンとは?
まずスカジャンとは、サテンの生地で作られた派手な刺繍が特徴のジャンパーのことを指す。スカジャンという名前は、米海軍の基地があることで有名な神奈川県の横須賀で生まれたことに由来し、横須賀ジャンパー→スカジャンになったというわけだ。つまりスカジャンとは和製のアウター。なので刺繍のデザインも龍や虎や鷹、富士山などの和やオリエンタルなモチーフが採用されているのだ。そもそもスカジャンは、戦後間もない頃のアメリカ軍兵をターゲットに生み出された土産品であり、アメリカではスーベニアジャケットという呼称で知られている。当時の米兵たちは、着物や帯などの日本らしい伝統工芸品を土産として好んで持ち帰っていたため、その嗜好をヒントにし、アメリカ人が親しみやすいベースボールジャケットのデザインをベースに日本らしい刺繍を入れたのが始まりなのだとか。
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海外のファッショニスタも愛用するメイドインジャパンのスカジャン
スカジャンは現在もクールな和風ジャケットとして海外のファッショニスタたちから愛されている。こちらはパリでキャッチした男性のストリートスナップ。鷹と虎の刺繍が両胸に施されたスカジャンを中心に全体をモノトーン系でまとめ、派手なデザインのスカジャンをシックに着こなした好例だ。スカジャンのコテコテしたデザインを抑えめにコーディネートを楽しみたい方は、こんな着こなしを参考にしてみてはいかがだろうか?
スタジャンとは?
スタジャンは、厚手のメルトン生地を使ったボディにレザーの袖を取り付けた、非常に保温性の高いアウターの一種。これはスタジアムジャンパーが略化された名前であり、もともとは野球選手が寒い日の試合で肩を冷やさないようにユニフォームの上に着ていたアウターである。これが野球チームから大学や高校へと広まり、ファンたちの間でも着られる応援着として使われるように。チームロゴや学校名などのワッペンや刺繍でデコレーションするのもスタジャンならではで、これによって自分が応援しているチームや学校がどこであるのかをアピールするのが特徴だ。現在ではサンローランのテディジャケットなどをはじめ、ラグジュアリーブランドのコレクションにも登場するファッションアイテムとして広く認知されており、日常着にまで落とし込まれている。ちなみにスタジャンは和製英語であり、英語での呼称はバーシティジャケットやアワードジャケット、レターマンジャケットなどが一般的だ。
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スタジャンは今季注目のトレンドアウター!ユニクロなどでも売れ行き好調
スカジャンに負けず劣らずスタジャンにも派手なデザインが多いが、後者はアメカジテイストのコーディネートに仕上がるのが魅力。さらにワッペンを自分好みにアレンジすることもできるため、自分で育てる楽しみもある。スタジャンは今シーズンのトレンドアイテムとしても注目されており、ユニクロなどでも売れ行きが好調な模様。保温性も優れているため、今年の主力冬アウターとして検討するのも大いにアリだ。
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