ギャツビーのヘアワックスといえば、男性なら誰もが一度はお世話になったことがあると言っても過言ではない。そんな伝説的な商品が、現在の地位を確立するに至った背景を紹介する。
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ギャツビーの逸話1ヘアサロンとの協業で常識を打ち破る!
ヘアスタイリング剤といえば、いわゆる美容室で販売されている「サロン専売商品」と、ドラッグストアやコンビニ、スーパーで販売される「市販品」が明確に区分けされており、両者は不可侵の関係であった。美容師にとって、サロン専売のヘアスタイリング剤やシャンプー、トリートメント等は、顧客一人当たりの売上単価の上乗せに欠かせない商材だ。だからこそ、「市販品」よりも「サロン専売商品」が、品質や使い勝手といった面で優れている状態が理想的であって、普通に考えるとギャツビーのようなマスブランドの商材の開発に美容師が協力する理由は一切ないと考えるのが普通だろう。しかし、2006年8月に発売された「ギャツビー ムービングラバー」は、この見えざる壁を完全に破壊した。すべての商品が、人気ヘアサロンの監修により開発されている。LIPPS、GUZZLE、apish AOYAMAなどの都心の人気美容室が、1商品に対して1サロンという形で監修を行なっている。これが実現した背景には、ギャツビーの美容室を説得するための営業努力もさることながら、長年にわたって培ってきた中身技術、そして圧倒的な流通網によるメリット提供が可能だったことが挙げられる。全国の小売店に陳列される商品に添付されるサロン名の記載された商品ラベル、そしてスポットで実施されるコラボイベントを通じて「誰もが知っているギャツビーを監修しているすごいサロン」というブランディングにつながるというわけだ。これにより、顧客開拓と人材採用の面で優位性を生むと考えたことから人気サロンが監修という形で、市販品メーカーのギャツビーに協力するにいたった。