タフな機能性とファッション性の高いデザインで、唯一無二のポジションを全世界で確立しているG-SHOCK。そんな同ブランドには「MR-G」というハイエンドシリーズがあるのをご存知だろうか?カジュアルなスタンダードモデルとは一線を画す高級感を携えており、まさに大人にふさわしいG-SHOCKだと言える。今回はそんな「MR-G」にフォーカスして、最上位シリーズたる所以と魅力を徹底解説!
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大人のためのG-SHOCKとして生まれた最上位シリーズ「MR-G」
「MR-G」は、“大人向けのG-SHOCK”として1996年にデビューを飾ったブランド最高峰のシリーズ。G-SHOCKの生みの親である伊部菊雄氏が、若者世代から爆発的な人気を獲得しているG-SHOCKを見て、“大人になってもG-SHOCKを着けてほしい。ファンであり続けてほしい。”という想いを元に開発したモデルだ。MR-Gの由来は、威厳や風格を意味する「Majesty(マジェスティ)」と本物を意味する「Reality(リアリティ)」それぞれの頭文字を組み合わせたもの。樹脂で構成されたカジュアルなルックスのG-SHOCKとは異なり、品格を漂わせるメタル素材を採用しているのが大きな特徴だ。上品なフルメタルでデザインされながらもG-SHOCKの特徴である耐衝撃構造は健在で、タフネスと大人にふさわしい美しさを兼ね備えている。ここからは、そんなMR-Gの特徴を詳しく見ていこう。
G-SHOCK「MR-G」の特徴①「非現実的とされていたフルメタル化を実現!車のバンパーからヒントを得た耐衝撃構造」
一世を風靡したG-SHOCKの耐衝撃構造は、心臓部であるモジュール部分を柔らかい樹脂で包み込むことが不可欠だったことから、重くて緩衝撃効果が薄いフルメタル化は非現実的とされてきた。そんな中、プロジェクトチームが試行錯誤を繰り返した後に車のバンパーからヒントを得て実現したのが「ベゼルバンパープロテクション構造」だ。ガラスを押さえる役割を持つベゼルとケースの間にラバーの緩衝材をレイアウトし、さらにL字型にした機密用パッキンをプラスすることで、メタルベゼルにかかる外部からの負担を軽減することに成功。さらにバンドの付け根をしっかり固定するカン足構造、MR-Gを象徴するディテールのひとつにもなっている4点ビスを採用してベゼルを強固にするなど、様々な部分にタフに仕上がる工夫が施されている。
G-SHOCK「MR-G」の特徴②「リューズのサイズダウンと耐衝撃性アップを可能にしたクラッドガード構造」
腕時計の一番の弱点と言われるのが、時間や日付を操作するためのパーツである「リューズ」だ。リューズは腕時計の内部と直結しているため、外からの衝撃がダイレクトに加わりやすく、時計内部に最もダメージを与えやすい部位とされている。そこでMR-Gのプロジェクトチームが考案したのが、リューズを保護するリューズガードを小型軽量化させた「クラッドガード構造」だ。リューズとボタン本体に加え、それらを保護するためのガードを一体化することでサイズダウンと軽量化に成功。さらに、リューズユニット内部にαGELを内装することで耐衝撃性を向上させた。大型のガードパーツが不要になったことで、最上位シリーズにふさわしい洗練されたルックスに仕上がっている。
G-SHOCK「MR-G」の特徴③「丈夫で軽く、金属価値の高いチタン素材を採用した高級仕様」
ケースとバンドに加工難易度が高いと言われるチタンを使用しているところも、MR-Gを語る上で見逃せないポイント。チタンは、通常使用されるステンレススチールよりも金属価値が高く、丈夫で軽量、そしてアレルギーフリーなので、金属アレルギーの人でも安心して着けられるという特徴を持つ。一方、デメリットとして耐傷性が低いことが挙げられるが、「二重硬化処理」を採用することでその弱点を克服。素材表層部に硬化層を形成することで純チタンに比べて4〜5倍の硬度を実現した「深層硬化処理」と、素材表面部にはダイヤモンドに次ぐ硬度と言われているカーボン硬化膜でコーティングした「DLC処理(ダイヤモンド・ライク・カーボン)」を施すことで、傷が付きにくく美しさを保てる仕様に。そこに熟練した職人の高い技術によって施される「ザラツ研磨」を施し、歪みのない輝きを放つ美しいチタン素材を完成させた。
G-SHOCK「MR-G」の特徴④「見た目の美しさだけでなく、多くの機能性を備えたチタン製バンド」
前述したようにチタン素材で仕上げられたバンドは、美しさだけでなく機能性も両立している。バンドの駒を下方向にも回転可能にすることで、落下時の衝撃吸収力を高めることに成功。さらにバンドの駒を2体構造にすることで、駒同士がぶつかって傷つくことを防ぐ効果にも期待できる。それぞれのパーツは、職人たちが一つ一つ丁寧に磨きをかけているため、本体同様に美しい輝きを放つのも特徴だ。また、バンド外れを防止するため、ワンプッシュで着脱可能な三つ折式中留にタイトロック機能が搭載されていたりと、装着時の不具合を解消する機能性が多く備えられている。
G-SHOCK「MR-G」の特徴⑤「正確な時を刻む先進テクノロジーを搭載」
MR-Gシリーズは標準電波受信による時刻修正機能(世界6局の標準電波に対応したマルチバンド6)を搭載しており、誤差10万年に1秒という正確性を誇る。さらに、時刻補正機能としてスマートフォンでMR-Gのアプリをダウンロードし、Bluetoothでリンクさせれば世界中どこにいても正確な時刻を反映可能。現代の先進テクノロジーを搭載することで、見た目だけでなく中身まで大人の男の心をとらえるモデルに仕上がった。
G-SHOCK MR-Gの特徴⑥「熟練した職人によって製造されるメイド・イン・ジャパンモデル」
カシオはタイと中国、そして日本の山形に生産拠点を持っているが、MR-Gはマザーファクトリーである「山形カシオ」で全ての工程を行っている。その中でも「オシアナス マンタ」などカシオのハイエンドモデルを手掛ける特別な生産ライン「プレミアムプロダクションライン」にて、厳しい規定をクリアした確かな技術を持つ職人たちによって1本ずつ丁寧に生産。細部までこだわり抜いた完成度の高い製品作りは、メイド・イン・ジャパンならではの魅力がギュッと詰め込まれている。
G-SHOCK「MR-G」の全ラインナップを紹介!
1996年にリリースされてから様々なアップデートが施され、美しさをキープしながら機能性をアップし続けてきたMR-G。ここでは、MR-Gの全モデルを一挙紹介!
オリジンを極めることに挑戦した初代シリーズアレンジ「MRG-B5000」
1983年に誕生したG-SHOCKの初代モデル「DW-5000C」をフルメタルに換装したMR-G。MR-Gの中で、初めてスクエアデザインを施したシリーズだ。オリジナルのベゼルは1つの樹脂パーツで構成された凹凸のある複雑な形状だが、MRG-B5000は25個という細かなパーツに分けて構成することで、隅々まで研磨でき、MR-Gにふさわしい上品な質感を実現している。さらにベゼルパーツの間に緩衝材を備え、強度を増した新しい耐衝撃構造のマルチガードストラクチャーも採用。電波受信機能とBluetooth機能も備えており、G-SHOCK初代シリーズならではのレトロなルックスながら、美しさと機能性を兼ね備えたスペシャルなモデルに仕上がっている。
雅な雰囲気を感じさせる日本の伝統美と最新テクノロジーを融合した「MRG-B2000」
日本の伝統芸能や伝統意匠をモチーフに、日本の強さや美しさを継承した「MRG-B2000」。文字盤の外周部に扇や屏風をイメージしたカットを施し、日本らしい品のある華やかさをデザインに反映している。インデックスは山形カシオならではのナノ加工技術を用い、日本刀の反りを表現。ベーシックなカラーに加え、武具を朱塗りに統一した戦国時代の部隊編制「赤備え」をテーマに、強さの象徴とされる色「深紅(こきべに)」を随所に配した「MRG-B2000B-1A4JR」や、鎧や甲冑などによく使われる日本の伝統色「勝色」よりインスパイアされた「MRG-B2000B-1AJR」など、現代的テクノロジーと日本の伝統美を融合させた逸品がラインナップされている。
現行MR-Gの中でもっともコンパクトな「MRG-B1000」
小型のMR-Gを求めている方にオススメなのが、ミドルサイズに仕上げられたこちらの「MRG-B1000」だ。外装パーツのリサイズと組み合わせの再構成によって、身に着けやすいミドルサイズを実現した。また、視認性が高いクロノグラフの文字盤も魅力。MRG-B2000でも展開されている「勝色」モデルやアクセントカラーとして赤を採用した都会的なシルバー、黒の濃淡で表現する「墨の五彩」を採用した黒など、ミドルサイズながらも確かな存在感を放つモデルだ。
フロッグマンならではの左右非対処の造形美が魅力のダイバーズウォッチ「MRG-BF1000R」
ISO規格200m潜水用防水機能を持つダイバーウォッチとして展開されているG-SHOCK「フロッグマン」を、チタンの外装でMR-G仕様にアップデート。左右非対称の複雑な形状をチタンで表現するために、センターケースとベゼルをレーザー溶接で固定する手法を採用している。防水性を保つOリングや耐衝撃構造を強化する緩衝体など76個にもおよぶパーツを緻密に組み上げ、気密性をアップさせた本シリーズは、着想から製品化まで4年以上の歳月をかけて開発されたそう。バンドには、一般的なウレタンと比べて柔らかいフッ素ラバー製のデュラソフトバンドを採用することで肌触りの良さを追求。ダイビングログをスマートフォンと連携できたり、ダイビングスポットの潮汐情報や現地時刻を表示するタイドグラフモードを搭載したりと、ダイバーウォッチとしての機能性ももちろん健在だ。