羽織るだけでコーディネートに存在感が生まれるオーバーサイズコート。構築的なパワーショルダータイプはマスキュリンなイメージを強調し、ドロップショルダーやラグランスリーブタイプはリラックス感やルーズな雰囲気を醸し出す。今回はそんな「オーバーサイズコート」にフォーカスし、大人に相応しいオーバーサイズコートの選び方やコーディネートを成功に導くためのポイント、おすすめアイテムを紹介!
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オーバーサイズのコートはどうやって選ぶべき?
大人メンズがオーバーサイズコートを選ぶ際は、リラックス感やルーズな雰囲気を醸すドロップショルダーやなだらかなラグランスリーブのタイプを選ぶこと。80年代に一世を風靡したパワーショルダータイプではキメ感が強く、構築的なシルエットゆえ今っぽいレイヤードを表現するのが難しい。オーバーサイズコートがお洒落見えする決め手となるのはなだらかなショルダーラインであり、肩パットの入ったセットインスリーブのパワーショルダータイプは古臭い印象となるため、ドロップショルダーやラグランスリーブタイプで今っぽい着こなしを表現するのがおすすめだ。
とはいえ、あえてモードなアプローチを実現するために肩パッド入りのオーバーサイズコートを着用する洒落者も少なくない。着こなし全体のバランスを取る難易度はかなり高いものの、鏡の前で理想のシルエットを探りながら取り入れにチャレンジしてみるのも良いだろう。
オーバーサイズコートのコーデを成功させるコツは?
「90年代回帰」と「アンチフィット」の機運が高まり、モードとストリートにおけるよりクリエイティブにレイヤードスタイルを表現しようという気分に呼応し生まれたオーバーサイズコート。そんなオーバーサイズコートは、リラックス感やルーズな雰囲気、エレガントなドレープを演出することがコーデを成功に導く鍵となる。それゆえゆったりとしたシルエットを“いかに魅力的に見せる”か“いかに新鮮なレイヤードを表現するか”がポイントとなり、基本的にコーデするアイテムもカラダのラインを拾わないモノが望ましい。
オーバーサイズコートとともにスタイリングの輪郭を形成するボトムスは、ワイドパンツやバギージーンズなどゆったりとしたシルエットのものが有力な選択肢。だらしなく見せることなく、それでいて程よいリラックス感やルーズな雰囲気を醸しつつ、こなれ感のある着こなしで魅せることに注力したい。
オーバーサイズのコートを使ったコーデ事例
コーデ①「ドロップショルダーのオーバーサイズコートを主役にオールブラックでまとめた冬コーデ」
クラシックなアルスタースタイルをドロップショルダーのオーバーサイズにアップデートしたダブルコートを主役に、オールブラックでコーデまとめたコチラの御仁。オーバーサイズコートの下にブラックデニムシャツを差し込むことでニュアンスの異なるレイヤーを強調し、オールブラックにありがちな単調さを払拭した着こなしに。オーバーサイズコートの大きめな上衿とドロップショルダーがコーデに今感をもたらしている。
Dolce & Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ) オーバーサイズコート
コーデ②「ショート丈パンツでオーバーサイズコートの着こなしを軽やかに」
短丈パンツを使ったこなれ感のある着こなしに定評のあるアンドレア・バローネ氏は、黒のアルスタースタイルオーバーサイズコートにチェック柄ツイードジャケットとブラウンのタートルネックを組み合わせ。裾をくるぶし上でカットオフした黒のベロアパンツと素足履きしたドクターマーチンの3ホールシューズ、裾をチラ見せした白Tシャツでこなれ感を演出し、オーバーサイズコートとジャケパンにメリハリを付けつつ馴染ませている。タートルネックからコートの上衿、ドロップショルダーへと続くなだらかなラインがエレガント。
JULIEN DAVID(ジュリアン デイヴィッド) オーバーサイズコート
コーデ③「チェスターコートスタイルのオーバーサイズコートでベージュのグラデーションを完成させた暖かみのある冬の着こなし」
肩の落ち感が独特なドレープを作るキャメルのオーバーサイズコートの着こなし。インナーにはベージュタートルネックニット、ボトムスはセンタークリースの効いたベージュのワイドアンクルパンツとポップなマルチカラーのナイキ DUNK LOWを合わせて。全身をベージュのグラデーションでマイルドにまとめ、暖かみのある色合いとゆったりとしたシルエットを際立たせた着こなしに注目だ。コーデの印象をリフレッシュするよう取り入れたポップな配色のスニーカーのチョイスも見事!
AMI Paris(アミ パリ) オーバーサイズコート
コーデ④「ドロップショルダーのタイプならオーバーサイズコートと同様のリラックス感を演出可能」
決してオーバーサイズに仕立てられていなくとも、ドロップショルダーのオーバーコートならオーバーサイズコートと同様のリラックス感を演出可能。GWD(Gentleman’s Wear Daily)編集長を務めるファブリツィオ・オリアーニ氏はテディベアっぽいテクスチャーのブラウンドロップショルダーコートをチョイスして、オレンジベースのマルチカラーボーダーニットと明るいブラウンのコーデュロイパンツにコーディネート。遊び心のある色使いとドロップショルダーでリラックス感のある着こなしに。
Hevo(イーヴォ) オーバーサイズコート
コーデ⑤「チェック柄オーバーサイズコートに黒パーカーをレイヤードしストリート感のある着こなしに」
細やかなチェック柄のオーバーサイズダブルコートに黒パーカー、くるぶし丈にカットオフしたインディゴブルーのワイドジーンズと黒のローカットスニーカーをコーディネート。クラシックなオーバーコートとスポーティなパーカーのレイヤードでこなれ感を演出し、ストリート感のある着こなしを完成させている。
Balenciaga(バレンシアガ) オーバーサイズコート
コーデ⑥「黒のロング丈オーバーサイズコートで冬のメンズコーデに存在感をプラス」
白と淡いベージュでまとめたコーデの軸に、極端にショルダーをドロップさせた黒のロング丈オーバーサイズコートをプラス。クセのないニュートラルなアイテムでまとめたスタイリングを、オーバーサイズコートの取り入れで存在感のある着こなしに。コートとコーデの軸を馴染ませるようプラスしたオレンジロングマフラーのあしらいも◎