日本人で最もスナップされる西口修平が対峙する5の葛藤とは?

日本人で最もスナップされる西口修平が対峙する5の葛藤とは?

西口修平さんと言えば、メンズファッションディレクターとしての活躍はもとより、国内外のブランドやメディアからのオファーが絶えないメンズファッション業界きってのキーマンだ。卓越したファッションセンスと端正なルックスを併せ持ち、何もかもが順風満帆に運んでいるように見える同氏だが、葛藤を抱えながら、知られざるジレンマと戦ってきた歴史があった。

プロフィール
メンズファッションディレクター西口修平さん

1977年大阪生まれ。2001年 関西大学経済学部卒業。2002年にBEAMS入社。
現在はメンズファッションディレクターとして、ブランドとのコラボレーション、メディア出演、セミナー公演、書籍執筆など、マルチに活躍するメンズファッション業界のキーマン。 インスタグラムのフォロワー数は2023年10月現在、14.5万人を超える。西口氏が愛用する私物を紹介する「Nishiguchi Essentials 100」は、ファッション本としてベストセラーとなっている。

 

“正統派のクラシックスタイル” VS “自由発想のミックススタイル”の間で葛藤!

フィレンツェで年に2回開催されるピッティウォモでは、NovogasShops編集部はもちろんのこと、世界中のファッションメディアが西口さんの着こなしに注目し、彼はスナップシューティングの的だ。そんな西口さんのファッションスタイルの成り立ちについて話を伺った。

西口修平さん
僕がこの業界に足を踏み入れ始めた90年代後半は、いわゆるクラシコイタリア全盛期。ルールがんじがらめの風潮がすごかった。「イタリア製の高級スーツを着るんだったら、イタリア製の高級シャツ、イタリア製の高級タイに、英国製の革靴を合わせねばならない」といった具合。僕自身も諸先輩方もそういうノリでした。ルールに則ってバチっとキメたクラシコスタイルは文句なしに格好良いけど、自分の中では「肩肘張らずに、もっと大きな枠でクラシックを捉えた自由な着こなしだって格好良いし、それを認めちゃった方がもっとみんな楽しめるのでは?」と、うっすらとした疑問を抱いていました。

—その疑問は解消されましたか?

西口修平さん
2009年から、出張でイタリアやイギリス、フランスに行くようになって、現地の人たちの着こなしを見る機会に恵まれたのが一番大きかったですね。伝統的なクラシックウェアをルールや枠に囚われない自由な発想で、自分のスタイルに落とし込んでいるお洒落な男性が沢山いて、良い刺激になりました。やっぱりファッションって自由で良いんだと確信しましたね。

—そこから、西口さん自身の着こなしに変化が?

西口修平さん
そうですね。イタリアの高級カシミアジャケットにブルックスブラザーズの古着のシャツ、リーバイスのヴィンテージジーンズ、足元にはウェストンといった、伊・仏・米をすべてミックスしたスタイルとか、もともと学生時代からアメリカ物の古着が好きだったので、米軍のミリタリーシャツ、軍パンなども多用し始めました。デザイナーズ等についても、ジルサンダーのシャツとか、エルメスのダッフルコートなんかを着こなしに取り入れています。

—クラシックなドレスウェアと、それとは毛色が違うブランドのアイテムを組み合わせる着こなしは、まさに西口スタイルですね。やっぱり着こなしのルール的なものは嫌いですか?

西口修平さん
それに縛られるのは好きではないですが、そもそもクラシックスタイルのルールを理解していないと、うまく崩せない。僕自身も、雑誌や様々な服飾評論家の方々の著書を読み漁って、随分とセオリーを勉強しました。今振り返ると、クラシコイタリアという新しい波が来た当時に、やっぱり多くの人がどんな風に着こなせば良いのか分からなかったはずなので、ルールやセオリーが求められていたと思います。そういった意味でも、当時のファッション誌や様々な服飾評論家の方々の著書で語られる情報は必要だったのだと、改めて感じます。

高まる影響力と同調圧力の間で葛藤!

インスタグラムのフォロワー数にも表れているように、多くのファンに対して強い影響力を持つに至った西口さん。しかし、彼はその影響力と同調圧力の間でジレンマを感じていた。

着用アイテム:チンクワンタのレザージャケット、ミッソーニのニットベスト、リーバイスの501、グッチのビットローファー (すべて西口さん私物)

—インスタグラムのフォロワー数も増え続けて、現在14.5万人超えと、数値にも影響力の高さが如実に表れています。

西口修平さん
有難うございます。僕がピッティに行き始めた頃は、海外フォトグラファーは誰も日本人に注目していなかった。社費で出張に行かせてもらっているので、バイヤーとしてきっちりと仕事をしたり、現地のトレンドをキャッチしてしっかり社内で共有するのが一番大事ですが、それだけでなく僕の発信力を高めることでビームスFのプレゼンスや影響力を高めたいと考えていました。

—そのために何をされたんですか?

西口修平さん
セオリーに則った、正統派のクラシックスタイルは文句なしに格好良いし正しいのですが、東洋人がそれをピッティでやってもインパクトがなく、誰からも注目されなかった。それならと、自分が普段から取り入れていたミックススタイルで参加してみたんです。そこから徐々に注目していただける機会が増えていったという感じです。

—我が道を突き進むなかで、軋轢などは生じませんでしたか?

西口修平さん
摩擦が無かったと言えば嘘になります。当時、ビームスFのバイヤーは、正統派のスーツのスタイリングをするのが良しとされており、型破りな僕のスタイルは不適切と受け取られても仕方なかったんです。実際に、各方面から指摘や批判を受けることも少なくなかった。同調した方が良いのかもしれないと何度も葛藤しましたが、やっぱりどうしても信条を曲げたくなかったので、自分のスタイルを貫き通しました。

職業選択の葛藤。“服を沢山買えるお洒落な広告代理店マン” VS “服を仕事にするアパレル業界人”

西口さんは2001年大学卒のいわゆる就職氷河期世代。内定を取るために100社以上の会社にエントリーシートを提出するのが当たり前なくらい、厳しい状況だった。そんな時代背景の中で、西口さんも進路について悩んだそうだ。

西口修平さん
大学生の頃から、アルバイトでアパレル販売の仕事をすると同時に、人一倍に服を買う消費者でもありました。卒業後、アパレル業界に入って大好きな服に囲まれて仕事をするのか、もしくは給与水準の高い業界や会社に入って好きな服を沢山買えるようになるのか。アパレル業界は他業界に比べて給与水準が低いと言われていたので、結構悩みました。ちなみにアパレル業界じゃなかったら、広告代理店に行きたいと考えていました。

—それはなぜですか?

西口修平さん
高給であることに加えて、お洒落なスーツスタイルが許されるイメージがあったからです。他の業界だと、スーツにポケットチーフを挿すのも許されないんだろうなという肌感覚があって、そのような環境に僕はきっと耐えられないなと…

—結局、アパレル業界に進まれたのはなぜですか?

西口修平さん
学生なりに当時色々な大人と会う中で「どんな業界に身を置いたとしてもその道を極めた人になれば、あとから人やお金はついてくる」と思い至ったんです。そこで「とことん極めるなら、大好きな服しかない!」と、アパレル業界で生きていく決心をしました。

—ビームス社内外の仕事での活躍著しく、経済的にも成功されていますよね。欲しいモノはだいぶ手に入れられたんじゃないですか?

西口修平さん
いやいや成功だなんてまだまだ全然なので、一気には買えないですが、自分へのご褒美的な感じで欲しいアイテムを買い足していくのが幸せです。まだまだ道半ばですが、現時点でこういう状況になれているのは、応援してくださるフォロワーの皆様、そして家族や仕事で関わる方々の理解があってこそ。日々、感謝しています。

ブレスレット:エルメスのブックルセリエ / 時計:左からカルティエのタンク、ジャガー・ルクルトのエトリエ、パテック・フィリップのカラトラバ、ロレックスのデイトジャスト / リング:バニー / ペン:モンブラン (すべて西口さん私物)

ヘアメイク要らずの西口氏が目指すは、エネルギーに満ちあふれる風格あるオヤジ

特にファッション業界における人物撮影では、服装や髪型自体にフォーカスされることもあり、スタイリストによる服の選定と着せこみ、そしてヘアメイクによるメイクアップとヘアセットが重要かつ不可欠。そんな業界の中にあって「スタイリスト要らず、ヘアメイク要らずの西口」と言われるほど、いつも完璧な出立ちで有名な西口さん。普段のスキンケアやヘアセットについてお話を伺った。

—近年、男性の美容意識が高まり、脱毛やスキンケアに始まって、若年層を中心にメンズメイクもかなり浸透してきました。西口さんも相当意識が高いと思いますが、そのあたりいかがですか?

西口修平さん
本当に最近メンズ美容の勢いがすごいですよね。百貨店のメンズコスメコーナーも盛況のようですし。ちなみにメンズメイクに対しては全く否定的ではないですが、僕はやってないですね。撮影の時も、顔がテカったら嫌だからちょっと脂を取るくらいしかしないです。僕の中で、クラシックなスーツスタイルは年齢を重ねた方が格好良いと思っていて、格好良く老けていきたいと思っているふしがあります。年齢を重ねても枯れることなく、エネルギーに満ち溢れた風格あるオヤジを目指したい。メイクすると肌が綺麗に、若く見えるとは思うんですが、僕のファッションスタイル的にも目指すところではないんですよね。

—本当に西口さんの肌ってメイクが必要ないくらい綺麗ですよね。格好良く年齢を重ねるために、肌ケアはどうされていますか?

西口修平さん
スキンケアについては、仲の良い伊勢丹の方が勧めてくれた、結構高めのオールインワンクリームを朝晩使っています。化粧水は使わず基本これだけです。目尻のシワとか目のクマが気になった時には、本当に効果あるのか半信半疑で(笑)アイセラムを使ってます。実は妻より高価でかなり良いものを使っているので、たまに妻に貸すこともあるんです。普通は逆、珍しいパターンだと思います(笑)

—今回の撮影でもヘアセットは西口さんの自前ですが完璧ですね。ヘアスタイリングについてはどんな風にされているんですか?

西口修平さん
まず大前提として、僕みたいなおじさんが髪パサパサだとみっともないので、スタイリング前に必ずヘアオイルを使って、パサパサ感を解消しています。その後に2種類のワックスを重ね付けしているんですが、季節や天気によって比率や量を変えてます。例えば、秋冬は乾燥するので、油分と水分を髪に与えることを意識した配合にするのがポイントですね。ちなみに同じ秋冬でも、雨が降ったときに同様の調子でセットすると、髪がヘタってしまって失敗します。ヘアセットは気温、湿度、髪質、毛量、整髪料の分量の加減など変数が多いので、服の着こなし以上に難しいかも。今でもヘアセットはたまに失敗してしまうし、今後毛量とか髪質も微妙に変化していくはずなので、おそらく一生模索し続けると思います(笑)

ジレンマを見事に(?)解消する西口流のシャンプー方法は二度洗い

ここまで、我々にとって参考になる様々なこだわりを教えてくれた西口さん。もちろんシャンプーに対してもこだわりを持っており独自の方法で洗髪しているが、本人としてはあまり納得がいっていないようだ。

—シャンプーや洗髪にもこだわりはありますか?

西口修平さん
ヘアセットにこだわっているぶん、普段スタイリング剤は割としっかりめに付けているのですが、「1回のシャンプーで落とせるのか…?」という不安から、シャンプーは2回に分けています。1回目はスタイリング剤を落とすことを目的に、洗い上がりがすっきりする市販のシャンプーを。この年齢になって髪や頭皮の乾燥が気になり始めたこともあって、2回目は保湿成分が入ったサロンのシャンプーを使用しています。

—なるほど、目的別に分けてシャンプーをされているんですね。ちなみに、1回目のシャンプーはどんな感じでされているのですか?

西口修平さん
シャンプーを髪で泡立てながら、普通にシャカシャカと洗ってますよ。自分でやっていてあれですけど、これ髪にストレスかかるしあんまり髪に良くないよな…と感じてはいますが、かと言ってスタイリング剤と頭皮の皮脂が落ちない状態も絶対に禿げそう…まさにジレンマですね。そんな想いを抱えながらも、他の方法が思いつかないので毎日2回のシャンプーを続けています(笑)

—良いシャンプーって世の中たくさんありますけど、基本的に女性向けなので、男性のヘアスタイリング剤を落とせるような洗浄力はないイメージがあります。それに加えて、男性の頭皮から出る皮脂量は女性の1.4倍と言われているので…西口さんが二度シャンプーしたくなるのも当然かもしれませんね。

西口修平さん
髪にも良くて、しかもちゃんと洗えるシャンプーがあったら最高なんですけど、やっぱり技術的に難しいんですかね。

“やさしさ” VS “洗浄力”というジレンマに応える「最初から泡シャンプー」

実は今回、とあるシャンプーを西口さんに事前に使っていただいた。そのシャンプーとは「サクセス 最初から泡シャンプー」。ノズルから泡の状態で出てくる仕組みを採用したサクセスシリーズの新たなシャンプーで、泡立て時の引っかかり抜け毛を抑えて洗える“やさしさ”が特長だ。

「サクセス 最初から泡シャンプー」をチェックする

液状のシャンプーを髪で泡立てる際、「このシャンプーの泡立て方だと、頭皮や髪に負担がかかっているのではないか…?」と薄々感じていたという西口さんも、泡立て時のゴシゴシ摩擦が抑えられて、髪や頭皮に泡がすっと馴染むようなその使用感に、今までに感じたことのないシャンプーでしたと語っていた。

「サクセス 最初から泡シャンプー」をチェックする

サクセスならではの洗浄力に加え、西口さんが注目しているアミノ酸系洗浄成分も配合している点が魅力的◎

「サクセス 最初から泡シャンプー」は、花王独自の自発洗浄技術を採用しているため、ゴシゴシと強く洗わなくても毛穴汚れまで吸着洗浄することが可能。「抜け毛を気にしてやさしく洗うようにしているけど、その反面、やさしく洗うと汚れがしっかりと落とせないのではないか?」というジレンマに、泡で洗える“やさしさ”とサクセスシリーズならではの“洗浄力”の両立によって応えることを目指した提案のシャンプーとなっている。さらに、頭皮と髪と同じ弱酸性で、アミノ酸系洗浄成分やユーカリ葉エキスなどの保湿成分が配合されているのもポイントだ。
※皮脂汚れのこと

「サクセス 最初から泡シャンプー」をチェックする

最初から泡なので頭皮や髪に負担をかけずに、しっかりと皮脂汚れまで落とせる洗浄力があって、さらに保湿成分まで配合されているのは嬉しいですね、と西口さんも語っていた「サクセス 最初から泡シャンプー」。新たなシャンプー体験を、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか?

「サクセス 最初から泡シャンプー」をチェックする

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