プリーツパンツや幅広ラペルが人気を集めるなど、近年のファッションにおけるビッグトレンドとして”クラシック回帰”が挙げられる。そんな流れに乗るように注目度を高めているアイテムがサスペンダー(ブレイシーズ)だ。日本ではまだ浸透しているとは言い難いが、正装からジーンズスタイルまで幅広く活用できるため、ぜひワードローブへストックしておきたいところ。今回は「サスペンダー」にフォーカスして、注目の着こなし&アイテムを紹介!
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クラシック回帰により注目を集める「サスペンダー(ブレイシーズ)」とは?
アメリカ英語でサスペンダー(suspender)と呼ばれており、日本では「吊りバンド」と呼ぶ人もいる。イギリス英語ではサスペンダーのことを「ブレイシーズ(braces)」と呼んでおり、イギリスで「サスペンダー」というとガーターやアームバンドのことを指す場合もあるので注意が必要だ。通常エラスチックゴム、または人工皮革や天然皮革製の一対のベルトを肩にかけ、ベルト先端のボタン、またはクリップ、O型やD型のリング、組み紐で固定して、ズボンを吊り下げるものを指す。
歴史的な観点から見ると、男性のズボンはベルトではなくサスペンダーで吊るのが正装とされている。正装以外にも作業服やジーンズにもサスペンダー用のボタン取り付けられていた歴史も存在。また、ベルトと比較して腹部を締め付けないため、ウエストの大きい肥満体型の人にも負担が少ないとされる。もともとは単独のパーツとして用いられていたが、その後ズボンやスカートに最初から作り付けになった。たとえば、サスペンダーパンツやサスペンダースカート、オーバーオールも広く用いられるようになり、男性のみではなく、女性服にも浸透していった。最近では実用性のみにかかわらず、さまざまなデザインのものがファッション性を重視する衣装に多く用いられている。
サスペンダーをフォーマルウェアに合わせる場合は?
礼装に用いるものは、ビジネススーツやタキシード、弔事なら無地の黒、慶事のディレクターズスーツ、モーニングコートには白黒の縞柄、燕尾服には無地の白を合わせるのが好ましいとされている。たとえば、下のダニエルクレイグが着用しているようなフォーマルなブラックのタキシードスタイルには、無地の黒サスペンダーを合わせたい。格下の礼服に白や白黒の縞柄を用いてもよい場合もあり、TPOに応じた組み合わせを。サスペンダーは一般にはバンドは黒や茶色、金具は銀や金、黒だが、金具だけの色違いやバンドの花柄などの柄物も存在する。ワイシャツやネクタイの色に合わせて着用する人物も多い。
時代の移ろいによって変化してきたサスペンダーの形状
クリップ(金具)式と釦止め式があり、ベルトにはH型・X型・Y型・ショルダーホルスター型が存在するが、H型・X型・ショルダーホルスター型の方がクリップやボタンを挟むところが多いため、やや丈夫とされている。18世紀は背中がH型、18世紀の終わり頃にX型、19世紀の中頃にY型と変化を遂げていった。ショルダーホルスター型の風変わりな物もある。
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