ポロ競技の選手や試合を観戦する貴族が着用していた外套をルーツとする“ポロコート”は、貫禄ある佇まいでありながらスポーティさを備えた無二のアイテム。今回はそんな「ポロコート」にフォーカスし、注目のディテールからオススメ品まで一挙紹介!
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ポロコートとは?
ポロコートとは、20世紀前半に誕生したオーバーコート(外套)の1種。19世紀後半に、ポロ選手が試合の休憩時間や試合後に着用していたラップコート(ウェイトコート)がアメリカへと渡り、“ブルックス ブラザーズ社”がデザインを一般向けに改良したうえでポロコートと命名し、1910年に世に送り出したと言われている。その後、瞬く間に市民権を得たポロコートは、1920年代後半までにアイビーリーグのほとんどの学生が所有する定番コートとして定着した。ちなみに1980年代半ばにも一時的にトレンドアイテムとして人気を集めたという。
誕生した当時、素材として主に使われていたのはラクダの毛で織ったキャメルだったため、キャメルコート=ポロコートを指していたという説もある。キャメル製のコートは、カシミヤのように滑らかな肌触りで断熱性に秀でており、しかも吸湿・放湿性にも優れていて快適な着心地という点から、人気に火がついたことが窺える。今ではキャメルを使用したものは少数でウール製よりも値は張るが、実用性をより重視したい方やクラシカルな1着が欲しいという方はぜひワードローブに加えてみてはいかがだろうか。
ポロコートとアルスターコートの違いは?見分けるなら3つのディテールに注目!
ポロコートの最大の特徴といえば男の威厳を示すアルスターカラー。それゆえにアルスターコートと間違われることもしばしばだが、他のディテールに注目すれば簡単に見分けることが可能だ。そこで、この項では襟以外のポロコートを象徴する3つのディテールを紹介。
①「実用性を備えた大きめの“フレームドパッチポケット”が強い印象を残す」
ポロコートに漂うスポーティ感を醸成している要素の一つが、このフレームドパッチポケット。パッチ&フラップポケットを一周枠で囲ったようなデザインが特徴で、他のポケットよりも大きめで存在感があるのに加え、手がすっぽりと入るサイズ感というのも防寒面で頼もしい。しかし、製作するにあたってコストがかさむという点から、昨今ではパッチ&フラップポケット仕様やフラップポケット仕様が増えている傾向にあることも事実。シーズンによってはフレームドパッチポケットを採用したポロコートが見つからないこともあるため、伝統的な1着をお探しならオーダーを検討してみるのもアリだろう。
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②「装飾具として奏功する“バックベルト”で後ろ姿も抜かりなし!」
背面に付けられたベルトもポロコートならではのディテール。一般的にはインバーテッド・バックベルトが主流であり、ウエストの絞り感を強調したものがほとんどだが、中には単なる装飾ディテールとして1枚布で仕上げたものやピンチバックを採用したものも存在する。キレイめなスタイルに合わせるならインバーテッドタイプを、ボックスシルエットを愉しむならピンチバックタイプを選ぶなど、自身の好みに合わせてチョイスしてみてほしい。
③「クラシカルな“ターンナップカフ”が着こなしのアクセントになる」
ターンナップカフとは、その名の通り袖口を折り返したデザインのこと。実は18世紀のイギリスにおいて多くみられたデザインと言われており、クラシカルな印象を打ち出すのに一役買ってくれる。また、他のコートでは中々みられないディテールでもあるため、簡単に差別化を図れるのもポイントだ。とはいえ、昨今ではターンナップカフをあえて省いたポロコートも増えているため、購入する際にはしっかりと確認しておきたい。ちなみに、本来はターンバックカフと呼ぶのが正式だが、現在ではターンナップカフが浸透している。
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