ファッション好きな男性であっても、「なんとなく分かるけど、きちんと説明できない」というファッション用語は少なくないのでは?今回は、メンズ冬服の大定番であり最初に買うべきコートとしても取り上げられることの多い“ステンカラーコート”についておさらいしていく。
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ステンカラーコートって何?
「ステンカラーコート」とは、後ろ襟が高く、前に向かって下がるように折り返る襟が特徴のコートのこと。ルーツは1850年代前後の雨避けとして着用されていたケープで、他のコートと比べると装飾が少なく見た目がシンプルな設計だ。そのためオン・オフ問わずどんなシーンにも着られるアウターとして人気を博している。また、ラグランスリーブかつフライフロント(比翼仕立て)のものがクラシックとされているが、ボタンが表に出ていたり、フラップポケットがついているといったデザインチェンジが施されたカジュアルめなデザインも昨今では多い。ちなみに「ステンカラー」という言葉は和製英語であり、スタンド・アンド・フォール・カラーが訛って生まれた説が有力。他にもフランス語のsoutien(支える)から来ている説がある。
ステンカラーコートの正式名称はバルマカーンコート!
和製英語であるステンカラーコートの正式な名称は「バルマカーンコート(Balmacaan Coat)」だ。スコットランド・ハイランド地方のバルマカーンという地名に由来すると言われている。また英語圏では1940年代以降に、実用性と生産効率を高めるために様々なデザインのバルマカーンコートが各ショップから誕生した歴史的な背景がある影響からか、“オーバーコート”や“レインコート”、“マックコート”と呼ばれることが多い。
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立ち上がるような立体感が魅力のステンカラーコートは小顔効果を期待できる!
後ろ襟が高く、前襟が低い設計になっているステンカラーコートは、着用すると襟がたっているような見た目になる。これによって顔周りに立体感が生まれるため、マフラーやストールなしでも小顔効果を発揮。Aラインの存在感のあるシルエットと相まって、等身バランスの良いスタイリッシュなコーディネートを実現しやすいコートとしても知られている。
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豆知識:ステンカラーは襟腰の高さで名称が変わる!?
ファッション通の中には「ステンカラーとバルマカーンカラーは明確に違う」という意見も。その違いの見分け方は、襟腰にある。襟腰が有るまたは高い“スタンダップバル”はステンカラーで、衿腰が低いまたは無い“レイダウンバル”はバルマカーンカラーと呼ばれている。もちろんステンカラー自体が和製英語のため、この呼び分けがされているのは日本のみ。襟型の呼び名はその他にも複数あり、バルマカーンカラーを略して“バルマカラー”あるいは“バルカラー”、他には“コンバーチブルカラー”、“ターンオーバーカラー”などがある。
ステンカラーコートのおすすめを紹介!流行りに左右されず長く愛せる1着を鉄板ブランドからピックアップ
あらゆるブランドがステンカラーコートを展開していて選択肢が多いがゆえに、どれを選べばいいのか分からないという方も少なくないだろう。そんな方にはまず、買って間違いなしの定番モデルをおすすめしたい。ここからは、鉄板ブランドが展開するステンカラーコートのおすすめを厳選して紹介していく。
ステンカラーコートおすすめ①「Mackintosh(マッキントッシュ) Dunkeld」
まず紹介するのは、ステンカラーコートの名作として年代を問わず幅広い男性に愛されている「ダンケルド」だ。マッキントッシュを象徴するゴム引きコットン製で、全ての縫い目の裏には止水テープが貼られているため、雨や雪に降られてもOK。それに加えて、防寒性を高める取り外し可能なウールライナーが付属しているので、秋から春までヘビロテ間違いなしだ。
ステンカラーコートおすすめ②「J.PRESS(J.プレス) ベンタイル バルマカーン コート」
ラグランスリーブ&フライフロントを採用したクラシカルな見た目が特徴のバルマカーンコート。生地には第二次世界大戦時にイギリス軍のために開発された“ベンタイル”を採用しており、クラシカルな印象を感じさせる。また、経年変化により生地にこなれた風合いがさらに増していくのも男心をくすぐるポイントだ。
ステンカラーコートおすすめ③「BURBERRY(バーバリー) Camden」
バーバリーを代表するコートの一つである「カムデン」。クラシックデザインに加え、すとんと落ちるストレートシルエットを採用しているのが特徴で、時代を超えて愛される不朽の名作として人気を集めている。ちなみにバーバリーでは、カーコートと呼ぶのが一般的だ。
ステンカラーコートおすすめ④「Aquascutum(アクアスキュータム) ステンカラーコート」
アクアスキュータムのステンカラーコートは、ゆるやかなAラインを描く優雅なシルエットの1着。比翼仕立てかつセットインスリーブになっており、カッチリした印象があるのでスーツ姿にもよく似合う。裏地にはお馴染みのチェック柄が配されており、チラ見せすればお洒落さのアピールも叶うはずだ。
ステンカラーコートおすすめ⑤「Traditional Weatherwear(トラディショナルウェザーウェア) SELBY」
長く使えて、しかも手の出しやすいものが良い…という相反するような両者の要望に応えてくれるであろうステンカラーコートを展開するのがトラディショナルウェザーウェア。マッキントッシュ社のデイリーウェアブランドだ。お馴染みのゴム引きコットン&止水テープを採用し、オン・オフ問わずに着られるデザインに仕上げていながら、税込で6万円台というアフォーダブルな価格を実現。ちなみに袖を折り返すと鮮やかなレッドが配色されており、コーデにさりげない差し色を添えられる。
ステンカラーコートおすすめ⑥「HERNO(ヘルノ) Laminar ステンカラーダウンコート」
軽やかな着心地とバツグンの保温性を叶える上質なダウンコートタイプのステンカラーコートを選ぶなら「ヘルノ」のラミナーシリーズがおすすめ。イタリアブランドらしい洗練された雰囲気はそのままに、ハイテク素材を取り入れることで現代的なムードと機能性の高さを実現したステンカラーコートは、オンオフ問わず活躍すること間違いなしだ。雨風の侵入を防ぐ比翼仕立てで、スリーブはスタイリッシュに見えるセットイン仕様を採用しているため、ビジネススーツスタイルとの相性良し。
ステンカラーコートおすすめ⑦「Barbour(バブアー) OVERSIZED WAX BURGHLEY」
実はバブアーの襟型もバルカラー仕様。今回ピックアップしたのは乗馬用コートとして誕生したBURGHLEYのオーバーサイズモデル。ディテールデザインはそのままに、全体的に丸みを帯びたBIGシルエットに仕上げることで、トレンドコンシャスな印象に。オーバーサイズのアウターは、重ね着してもインナーがかさばらないのが地味に嬉しいポイント。良くも悪くも古臭い従来のバブアーのシルエットがしっくりこなかったという方も、このモデルなら着こなしやすいかも。
ステンカラーコートおすすめ⑧「THE NORTH FACE(ザ ノース フェイス) BEAMS別注ステンカラーコート」
ダウンジャケットやマウンテンパーカーのイメージが強いザ ノース フェイスだが、実はステンカラーコートも人気アイテムのひとつ。ポリエステル65%、コットン35%の割合で繊維を混合させた65/35ベイヘッドクロスを使用したこちらは、ほどよいゆとりのあるAラインシルエットでスーツの上からも着用OK。インサレーションにはプリマロフト(R)が内蔵されているため、重ね着しなくても十分暖かい着心地だ。
ステンカラーコートおすすめ⑨「LACOSTE(ラコステ) デタッチャブルフードステンカラーコート」
ワントーンで洗練された印象をキープしながらアイコニックなワニロゴを胸元に配することで、さりげないアクセントをプラスしたラコステのステンカラーコート。デタッチャブル式のフード付きで、シーンや着こなしに合わせてフードを着脱して印象をチェンジできる。各所の縫製部分にはシームテープをあしらうことで、雨水の侵入を軽減。腰ポケットだけでなく、袖口や内側にまでポケットが配されているため、ちょっとした小物の持ち運びならカバン要らずで過ごせる。
ステンカラーコートおすすめ⑩「coen(コーエン) ギャバステンカラーコート」
綿100%でハリ感のある生地を採用し、適度にゆとりを持たせたラグランスリーブのバルカラーコートながら1万円以下で購入可能というコスパグッドな1枚をコーエンで発見。ロング丈ながら裾には深めのバックスリットが入っているため、足さばきがしやすいデザインとなっている。
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