世界的スポーツメーカーとして君臨するアメリカのブランド「NIKE(ナイキ)」。バスケットボールとの結びつきも強く、数々の名作バスケットボールシューズを生み出しているブランドだ。今回は、ナイキ初のバスケットボールシューズとして登場した「ブレーザー」にフォーカス。トップアスリートも愛用したと言われるこのモデルにはどんな魅力が隠されているのだろうか。ナイキの歴史と共にブレーザーの魅力に迫る。
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世界屈指のスポーツメーカー「NIKE(ナイキ)」が誕生した経緯とは?
現在では、さまざまなスポーツの足元に欠かせない存在として、世界最大のスポーツメーカーのひとつと言われる「NIKE(ナイキ)」。誕生のきっかけは、1964年にまで遡る。最初からナイキという名称ではなく、当初は、「ブルーリボンスポーツ社」という名で設立。オレゴン大学の陸上部の選手であったフィル・ナイト氏と、陸上部のコーチとして自作のランニングスニーカーを制作していたビル・バウワーマン氏が資金を出し合い、この会社を立ち上げたのがナイキの始まりとなる。当初は「オニツカタイガー」の輸入販売と開発を行う会社だったが、さらなる売上を目標とした彼らは、独立することを決意。自社ブランドの名前として、ナイキが誕生。この「ナイキ」という名前の由来は、ギリシャ神話の勝利の女神「nike(ニーケー)」から着想を得ている。1972年に発表したワッフルを焼く型をヒントに開発されたワッフルソール採用モデル「ワッフルトレーナー」が大ヒットしたと同時に自社ブランドとしていたナイキの名を会社名へと変更させたのだ。
ナイキが初めて販売したバスケットボールシューズが「ブレーザー」
バスケットボールシューズと深い関わりを持つナイキ。1972年にナイキ初のバスケットボールシューズとして販売されたのが、今回フォーカスする「ブレーザー」だ。トップアスリート向けのパフォーマンスモデルとして開発されたプロダクトで、現代のバッシュと比べパーツが少なく、シンプルなアッパーが特徴。「ブレーザー」という名は、ナイキ本社があるオレゴン州のNBAチーム“ポートランド・トレイルブレイザーズ”を由来としている。時代に左右されないシンプルなデザインが数々のデザイナーをも虜にし「OFF-WHITE(オフホワイト)」や「sacai(サカイ)」、「READYMADE(レディメイド)」といった人気ブランドとのコラボレーションモデルや、サスティナビリティを意識したモデルが登場するなど、シンプルなデザインはそのままに、時代に合わせて進化をし続けているモデルだ。
ナイキ ブレーザーの飽きの来ないシンプルなデザインが多くの人々を魅了する
サイドにナイキのスウッシュを配したミニマルでシンプルなデザインを採用。他のバッシュに比べ大きめに、そして緩やかに描かれたスウッシュがスタイリングのアクセントになっている。いつの時代も飽きの来ないデザインが、多くの人々から長い間愛され続ける理由だ。足をスマートに覆うタイトなシルエットは、上品なパンツとも好相性。ピッティウオモでも多くの洒落者が取り入れている。
復刻されているのは“MID”と“LOW”の2つのバリエーション
1972年発売当初は、ハイカット、ミドルカット、ローカットの3パターンが登場していたが、現在は、ミッドカットとローカットの2パターンのみの復刻。10のアイレットを備えたミッドカットには、ヒール部分にパッドを設けることでフィッティング力をアップ。“NIKE”と刻印されたヒールパッドが、バックスタイルをお洒落に。ローカットはそのデザインを省くことでミニマルなルックスに仕上げている。
スケーターにも愛されるグリップ力に優れたラバー素材のアウトソールにも注目!
ブレーザーは、ナイキ初のバスケットボールシューズだが、実はグリップ力の高さからスケーターにまで愛されていたモデル。そのグリップ力の秘密は、ヘリンボーンと呼ばれるアウトソールに配されたジグザグパターン。バスケットコート上で高いグリップ力を発揮し、1970年代に生産された多くのバッシュに採用されているトレッドパターンだ。トップアスリートにも認められるこのグリップ力がスケーターたちの間でも話題となり、1980年代にはスケートボードカルチャーを楽しむ人々を中心にストリートファッションのひとつとして知られていったのだ。
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