グッドイヤーウェルト製法と言えば、本格的な革靴を代表する意匠。洗練された大人の男を目指すなら、セメント靴ではなくグッドイヤーウェルト製法の革靴を選びたい。今回は、高級靴の標準装備「グッドイヤーウェルト製法」の革靴について紹介!
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グッドイヤーウェルト製法とは?
革靴の「アッパー」と「ソール」をジョイントする方法のひとつであるグッドイヤー・ウェルト製法。まず「インソール」に取り付けたテープ状の「リブ」と「アッパー」、「ライニング」と「ウェルト」をすくい縫いし、その後「アウトソール」と「ウェルト」を出し縫いする。アッパーとアウトソールを直接縫合せず、ウェルトを介してくっつけているのが特徴だ。
グッドイヤーウェルト製法の革靴の断面図(正面)グッドイヤーウェルト製法の起源は1870年代後半のアメリカ。それ以前の革靴のソールはハンドソーン・ウェルテッドと呼ばれる製法で手縫いで縫合するのが主流だった。米国人チャールズ・グッドイヤーJr.がハンドソーン・ウェルト製法を元に、ロックステッチミシンを応用した機械での製法を考案。需要の高かった靴産業において爆発的に普及し、グッドイヤーウェルト製法が確立、世界各地の靴製造で取り入れられることとなった。現在グッドイヤーウェルト製法は、英国靴を代表する製法として有名。頑健な造りと特徴的なコバは、革靴の伝統性を示す象徴ともなっている。もちろんイギリスだけでなく、アメリカやイタリア、日本においても本格志向のブランドでは必ずと言っていいほど採用されている製法だ。
グッドイヤーウェルト製法の革靴が持つ5つの特徴を紹介!
グッドイヤーウェルトの特徴①「耐久性・耐水性に優れている!」
グッドイヤーウェルト製法の魅力は、他の製法に比べてメリットが圧倒的に多いところにある。その代表的なものが、複雑な縫合による耐久性。シンプルな縫合のマッケイ製法や接着剤でくっつけただけのセメント式とは比較にならないほどの丈夫さをグッドイヤーウェルト製法は備えている。また、靴の内部から外側にかけて隙間がない構造のため、耐水性に優れているのも魅力だ。
グッドイヤーウェルト製法の特徴②「履くごとに足に馴染む履き心地」
グッドイヤーウェルト製法の革靴には、インソールの中にコルクがたっぷりと敷き詰められている。そのため、革靴を履いて歩くたびにコルクが沈み、持ち主の”足裏の形”に変形するのだ。グッドイヤーウェルト製法の唯一とも言える短所として、履き始めが他の製法よりも硬いという点が挙げられる。これは内部に取り付けられたリブやシャンクの硬さによるものだが、ほとんどの場合半月から一ヶ月ほど履くことでこの短所は完全に解消される。それどころか、足に馴染んだグッドイヤーウェルト製法の革靴は、たとえ既成靴であっても”自分だけの靴”として快適な履き心地を生み出すのだ。
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