革靴の履きこなしにおいて靴紐は、「見た目」もさることながら「機能面」でも重要なファクターだ。内羽根や外羽根などの仕様やデザインの違いによって、適した靴紐の通し方も変化する。今回は動画解説を交えながら、「革靴に適した靴紐の通し方」とその通し方に合ったアイテムを紹介!
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革靴に適した靴紐の通し方①「パラレル」
革靴の靴紐の通し方の中でも、最もクラシックで王道なのがパラレルと呼ばれるこの方法。伝統的な革靴ブランドのほとんどは、この方法でひもが通されている。シューレースが平行に見え、ホールド力が均等になるため締まりが良く、緩みにくい。
革靴に適した靴紐の通し方②「シングル」
外見での見た目はパラレルと同じだが、シングルは靴紐を通す手順がよりシンプルで簡単。紐の厚みを最小限に抑えられる通し方でもあるため、美しい見た目に仕上がるのも魅力だ。クラシックな通し方でもあり、内羽根式のフォーマル感が強いシューズに多く用いられている。しかし「ひもを緩めて履く度に長さ調整が必要」という致命的な欠点も存在。靴の着脱が多い場合には避けたいが、フォーマルな場面やシューズのシルエットを美しく見せたい場合には是非取り入れて行きたい。
靴紐の通し方「シングル」に適した革靴を紹介!
王道の靴紐の通し方であるパラレルはもとより、さらにフォーマルな表情に仕上がるシングルの通し方に最適な革靴をピックアップ!
EDWARD GREEN(エドワード グリーン) 「CHELSEA 82E」
最もフォーマルな服装にも合わせられる革靴といえば、内羽根のストレートチップだ。数ある革靴の種類のなかで、内羽根ストレートチップはもっともフォーマルで格式が高い靴とされている。そんな格式高い革靴の中でも、「最高級品質のカーフスキン」を謳うエドワードグリーンの名作「チェルシー」は不動の人気を誇る一足。スタイリッシュながらもわずかに丸みのあるボールジョイントが美意識の高さを感じさせる。スワンネックと呼ばれる特徴的なディティールも「チェルシー」が支持される理由のひとつだ。
CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ) 「ストレートチップ AUDLEY」
世界で最も豊富な木型を揃えるブランドといえば「CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)」。ジョン・ロブなどのOEMも手掛けていた歴史も持つ実力派ブランドだ。内羽根ストレートチップのAUDLEYは、言わずと知れたクロケット&ジョーンズの看板モデル。グッドイヤーウェルト製法ながらも張り出しを抑えられたコバが気品を感じさせる。どんなシーンにも対応できることはもちろん、10年後に履いていても自慢できる1足。
三陽山長(サンヨウヤマチョウ) 「友二郎」
日本が誇る革靴ブランド三陽山長の「友二郎」。このブランドの定番ラスト(木型)であるR2010は、絞り込んだ土踏まず部分と小ぶりなヒールカップでホールド感を向上させていることが特長。なんと過去10年間の顧客データを集約して作られた木型である。2000年のブランド立ち上げ以降、日本人の意見に寄り添い、日本人のために作られたこの一足のフィット感は本場英国の職人にも引き目を取らない仕上がりだ。
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革靴に適した靴紐の通し方③「オーバーラップ」
カジュアルシーンでは定番と言われる靴紐の通し方がオーバーラップだ。スニーカーの靴紐の通し方という印象が強いが、カントリー系の革靴にも採用されている。正面から見ると、シューレースがVの字に見えるのが特徴。着用中はシューレースの緩みが少なく、安定した履き心地をキープしてくれる。つま先から足首に向かうに連れてハトメの幅が広くなるため、甲高の足にも適している靴紐の通し方だ。
靴紐の通し方「オーバーラップ」に適した革靴を紹介!
スポーティな印象を与えるオーバーラップに適した革靴をピックアップ!
Tricker’s(トリッカーズ)「外羽根ウィングチップ BURTON」
日本では特にカントリーシューズメーカーとしての知名度が高いトリッカーズ。スポーティな雰囲気と独特の重厚感を併せ持つ「バートン」は、そんなトリッカーズのカントリー・コレクションの中でも最も代表的なモデルである。丁寧に施されたブローギングや、メダリオンが織り成す重厚な雰囲気はお見事の一言に尽きる。名ばかりのカントリーシューズと違い、耐久性の高いダブルソールのため多少の難路はものともしない。
Church’s(チャーチ)「内羽根ウィングチップ GRAFTON」
質実剛健な製品づくりで日本でも高い人気を誇英国ブランド、チャーチ。迫力抜群のパワフルな外羽根と重厚なダブルソールによって唯一無二の存在感を発揮。装飾の完成度の高さはこのブランドの仕事ぶりが窺える。黒とはまた違った貫禄を見せるしっとりとしたバーガンディカラーも好印象。デニムに合わせても魅力を発揮できる一足。
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Paraboot(パラブーツ) Chambord
野外スポーツ用として原型が完成したUチップ・Vチップも有力候補のひとつだ。世界中から人気を集めるフランスの誇りとも言える革靴「Chambord」をピックアップ。登山靴の木型を元に作られたこのUチップシューズは、シャンボードのために開発されたと言われるリスレザーをアッパーに、独自開発のPARATEXラバーソールをノルヴェイジャン製法で縫い付けている。
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革靴に適した靴紐の通し方④「アンダーラップ」
オーバーラップとは逆に、正面から見ると、シューレースが八の字に見えるのが特徴のアンダーラップ。下から上にすくい上げるように靴紐を通すため、着用時に締めやすいのが特徴だ。緩みやすさも特徴に挙げられているため、着脱が大変なブーツなどの高さがあるシューズに適した靴紐の通し方とも言われている。
靴紐の通し方「アンダーラップ」に適した革靴を紹介!
アンダーラップの通し方に適した革靴をピックアップ!
Tricker’s(トリッカーズ)「カントリーブーツ MALTON(モルトン)」
靴作りの名人ジョセフ・トリッカー氏が1829年に創業したトリッカーズ。もはや「カントリーブーツ = トリッカーズ」と言っても大げさではないほど、カントリーブーツやブローグシューズで名を馳せるブランドだ。王道の7アイレット仕様のモルトンは、カジュアルながらもドレッシーな雰囲気に溢れる一足。伝統を感じさせる装飾美で大人のカジュアルスタイルを格上げする。他とは一線を画す完成度は、上質な天然皮革を使っていることはもちろん、一人の職人が最初から最後まで仕上げる「ベンチメイド」によるもの。
DR. MARTENS(ドクター・マーチン)「ワークブーツ」
ドイツ人軍医のクラウス・マーチン氏が独自のソールを開発したことで誕生した、英国を代表するブーツブランドのドクターマーチン。このブランドのフラッグシップモデルである8ホールブーツも、ワークブーツのディティールを踏襲している。クッション性の高いバウシングソールに黄色い糸、特徴的なストラップなど、ひと目でドクターマーチンのブーツだとわかるデザインが魅力だ。