服好きな男性であっても「なんとなくわかるけど正確な意味までは把握していない」というファッション用語は意外に多いのでは?ということで「いまさら聞けないファッション用語」に着目してお送りしていく本企画。今回のテーマは「フェイクスエード」。その意味やリアルスウェードとの違い、メリットやデメリットを一挙に紹介!
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フェイクスエードとは?
フェイクスエードは、ヤギや子牛の皮の裏側を毛羽立たせたスエードレザーに近い風合いを人工的に表現した生地のこと。人工皮革や合成皮革と呼ばれるフェイクレザーの一種だ。
リアルスウェードとの違いは?
リアルスウェードとフェイクスエードの大きな違いは素材にある。リアルスウェードは動物の皮革をそのまま用いるのに対して、フェイクスウェードはポリエステルやアクリルの生地がベース。その合成繊維でつくられた生地に、本物のスウェードのような風合いに似せる特殊な加工を施してつくられている。
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フェイクスエードのメリット
ここからは天然スエードと比較した際の、フェイクスエードのメリットについて紹介!
①「軽やかで着やすい!」
コンフォートな着心地が重要視される現代では、軽やかな素材が好まれる傾向にある。天然レザーは経年変化を楽しみながら長く着用できる反面、硬く重たい性質から好む人を選ぶという泣き所が。その点、天然に近い見た目ながらファブリックベースで軽やかに仕上げられるフェイクスエードは、万人受けしやすくあらゆる商品に各ブランドで採用されるほど人気。柔らかい質感のため、フェイクスエードを採用したアパレルウェアは長時間の着用でも疲れにくいというメリットも備える。
②「薄くても高い耐久性を実現!手入れも楽ちん」
天然レザーは薄くするほど耐久性が落ちるが、フェイクスエードは薄くても高い耐久性を誇る。そのため、服の表地だけでなくポケットの袋布やバッグのライニングなどにも使用されることが多い。また雨染みや色移りが少なく、通常のドライクリーニングで洗濯できるなど手入れが簡単なのも魅力的だ。ラフに扱えるため、下の画像のようなイージーパンツの素材として採用されることも多い。
③「値段がリーズナブル!」
一頭から採取できる量に限界がある天然スエードと比べて、量産しやすいフェイクスエードは素材の価格がリーズナブル。プリントやパンチングなどの二次加工がしやすいことも相まって、同じ形でもリアルからフェイクスエードにチェンジするだけで1/2以上の値段まで差が生まれることも少なくない。
フェイクスエードはポリウレタンの加水分解という経年劣化のデメリットも
スエードと比べて多くのメリットを備える反面、独自のデメリットも存在。基本的にフェイクスエードの起毛感は、ポリエステルの微細な繊維をポリウレタン樹脂を用いて接着することでつくられるが、そんな接着剤となる素材が加水分解という経年劣化を起こすという。
フェイクスエードの加水分解は製造から3年を目安に、空気中の湿気や汗、汚れといった影響で生じると言われており、劣化がはじまると起毛感を演出するポリエステル繊維が剥がれた損耗状態に。そのためフェイクスエードの商品は、5年・10年といった長年での着用というよりも、トレンド性の高いアイテムなど短期間での着用を前提としたものを購入するのがおすすめだ。
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