ジーンズの原型を作り上げたブランドとして知られる「Levi’s(リーバイス)」。創業150年以上もの歴史の中で多くの名作を世に送り出してきたが、定番として親しまれているモデルが存在する。それが「501」、「505」、「517」だ。今回は、その3大モデルの一角をなす「505」にフォーカス。同ブランドから初めてファッションアイテムとして制作されたジーンズの魅力に迫る。
CONTENTS
スポンサーリンク
ジーンズの生みの親として知られる「Levi’s(リーバイス)」の歴史とは?
1853年、アメリカ サンフランシスコにドイツから移民としてやってきたリーバイ・ストラウス氏。彼が衣類を取り扱う雑貨商を開業したことが「Levi’s(リーバイス)」の始まりだ。金の採掘が盛んだった当時、金鉱で働く人々から“丈夫な作業着が欲しい”という要望が出たことによって、ジーンズの前身となるキャンバス地のワークパンツが生まれた。このパンツをもとに、さらに耐久性のあるものをということでデニム素材にアップデートされ、“インディゴブルー”を採用したモデルが登場した。常にパンツの耐久性を高めるために試行錯誤を繰り返していた彼は、取引のあった仕立屋のヤコブ・デイビス氏から、接合を行うために用いる釘のような部品であるリベットでポケットを補強するというアイデアを受ける。彼らはすぐにその仕様を落とし込んだアイテムの製作にかかり、共同で特許を取得。この瞬間に今でも多くの人々に愛用される、後にロットナンバー「501」となるファーストジーンズが完成したのだ。
1800年代から1900年初頭まで“労働者のための服”として普及し、その後は西海岸の大学生や、第二次世界大戦中の兵士たちに品質の高さが評価されたことにより大流行。そして歴史の変遷とともにワークのディテールを残しつつも普段使いしやすいデザインにアップデートされていき、日常着の一つしてジーンズが浸透していった。今ではファッションに欠かせない定番アイテムとして君臨し続けている。
リーバイスを象徴する3つのディテールにフォーカス!
特徴①「リーバイスを語る上で外せないのが“ツーホース・マーク”」
リーバイスのアイコンディテールである「ツーホース・マーク」。これはジーンズの頑丈さと品質保証を示すレザーパッチとして誕生し、リーバイスのトレードマークのひとつとなっている。1890年にリベットの特許が無くなることとなり、リーバイスが生み出した“リベットでポケットを補強する”同じような製品が出回りそうなことを考慮し、他との差別化を図るために後ろウエストにパッチが採用された経緯がある。このロゴは“二匹の馬に引っ張られても裂けないほど丈夫なジーンズ”という意味をもち、着用する人たちが英語を理解できる人々だけではないということから、一目見てリーバイスだと分かる印象的なロゴを採用したのだ。
特徴②「後ろ姿でリーバイスと分かる“アーキュエットステッチ”も重要なディテール」
バックポケットに配された、弓を引いた形に似た「アーキュエットステッチ」もリーバイスを象徴するディテールだ。このディテールの歴史は意外に古く、実は最初期の1873年にポケット裏の補強布を留めるために採用された。第二次世界大戦中の物資統制の際に、省略の対象となってしまったが、代用として“ステンシルペイント(ペンキステッチ)”であしらわれたという裏話も。洗濯によって消えてしまうため、当時は偽物だと判断されることも多かったのだとか。
特徴③「年代によって異なるシンボルマーク“赤タグ”」
バックポケットのサイドに配された「赤タグ」。こちらもコピー商品との差別化のために採用されたディテールのひとつ。年代によって色やデザインが違うため、このタグを見るだけでいつ製造されたのかが分かるのも男心をくすぐるポイント。一般的なリーバイスに使われているのは赤タグだが、シーズン限定モデルには黒や白のカラーが採用されるなど、モデルによって違いがあるのも興味深い。古着など、ヴィンテージのリーバイスを探すときにこのタグのカラーをチェックしてみるのも面白いだろう。
2/2GO TO NEXT PAGE