トレンドにかかわらず一定の支持層を抱えるいわゆるモードファッション。このスタイルをとりいれようとした場合、従来はヨーロッパ圏のハイブランドの高価なアイテムや、逆にファストファッションブランドの廉価アイテムという両極端な選択肢がメインで大人の男性にとって丁度良い価格帯を提案するゾーンが空白になっていた。ステュディオスは高感度な男性が好みそうな、いわゆるブランドやステュディオスPB(プライベートブランド)を展開することで一躍人気セレクトショップの地位を確固たるものとした。アパレル業界最年少IPOとしても話題になった谷社長の率いるセレクトショップ「ステュディオス」の魅力を紹介していく。
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ステュディオスとは?
「日本発を世界へ(From JAPAN to the WORLD)」を理念とした人気セレクトショップ。
もともとは、FREAK’S STORE(フリークスストア)を運営する(株)デイトナインターナショナルが2007年4月から開始した1事業だったが、1店舗目から事業責任者を務めてきた谷正人氏がMBO(マネージメントバイアウト)して2009年3月から(株)ステュディオスとして始動。現在はメンズ取り扱いの実店舗を全国都市部に14店舗、ECショップを展開する。(2015年11月現在)
2015年9月には東証マザーズに上場。将来は日本のブランドの友好的M&Aによって日本版LVMHを目指していくことを谷氏自ら宣言した。
ステュディオスの魅力①「高感度なTOKYOブランド商品とメイドインジャパンの高品質なPB商品が豊富!」
ステュディオスが展開する商品ラインは「TOKYOブランドをメインに日本人がデザイナーを務めるブランドもの」と「メイドインジャパンにこだわったステュディオスのPB(プライベートブランド)商品」の2つに分かれる。デザイナーズブランドものは当然相応の価格するものの、PB商品は「リーズナブルな価格ながらもメイドインジャパンならではの高品質」がうれしい。「コスパが良い」という評判は海外でも広がり、わざわざ海外から数ヶ月ごとに買い付けに訪れる外国人もいるそう。こんな展開が可能なのも社内にデザイナーと生産管理部隊を擁して、商品ごとに最適な国内工房・ファクトリー・職人に製造依頼する仕組みがあってこそだという。
実はメイドインジャパンのPB商品展開のメリットは品質以外にも。それはずばり「リードタイムの短さ」である。例えば中国製だと発注から納品までに一般的に6ヶ月ほどかかるが、日本製であれば発注から2ヶ月程度で店頭に並べることができる。うつろいゆくトレンドを逃すことなく、いち早く商品に反映させることができるというわけだ。
※2021年にステュディオスのオリジナル商品は廃止されたが2024年より復活。
ステュディオスの魅力②「ハイセンスなモード服が適正価格で入手可能!」
日本のセレクトショップの多くがアメカジやアメトラスタイルに強みを持つのに対して、ステュディオスの得意とする世界観はあくまでも「モード」。「生活必需品のユニクロに対して嗜好品のステュディオス」と谷社長が語る通り、ファッション嗜好品としてのデザイン性をしっかりと保持したデザインが魅力だ。ここ最近のセレクトショップの傾向として「ブランドもので客寄せをして、利益率を高く設定したPB(プライベートブランド)を売って利益を出す」というスタイルが席巻していいるが、ステュディオスの場合はPB商品を入り口にしてデザイナーズブランドへの販売につなげ、ブランドと共に成長して世界に打って出たいというスタンスが根底にあるという。PBの原価率を高く設定してでも顧客満足度を高めて、モードデザインの良さを訴求してゆくゆくはより高単価なTOKYOブランド商品を購入する顧客にしたいという「損して(得しすぎず)得とれ」的な戦略が消費者としては嬉しい。
ステュディオスの魅力③「世界一のTOKYOブランド品揃え。ステュディオスオリジナルと店舗で比較できる!」
ステュディオスの展開は、PB商品とセレクトブランド商品が半々の構成。特にTOKYOデザイナーズブランドについては取り扱いが200ブランドを超え、世界一。ファクトタムやサリバン、N.ハリウッド、ホワイトマウンテニアリング、ソフネットといったメジャーどころだけではなくエトセンスのような注目ブランドも含めた幅広い取り扱いが魅力だ。本物のデザイナーズブランドとPB商品を実際に試着して比較できるのは店舗に足を運ぶ醍醐味のひとつ。
※2021年にステュディオスのオリジナル商品は廃止されたが2024年より復活。
ステュディオスの魅力④「他で意外と見つからないオフの着こなしに使えるセットアップスーツが見つかるかも!」
たとえばビジネススーツを購入できるショップは多くありますが、オフに使えるセットアップスーツを購入できるショップが意外と少ないのが日本。高感度なビジネスパーソンのうち多くは、イタリアブランドやそれを模したクラシックなスーツを選ぶ。しかしクラシックなスーツに飽き足らず少しモードっぽい遊び心のあるスーツを好むとなれば、ステュディオスのセレクトブランドやPBのセットアップスーツもぜひ選択肢にいれてほしい。特に渋谷神南店はメンズ専門の90坪を誇る大規模店で、テーラードジャケットのようなドレスラインに力を入れているので特におすすめ。(※店舗ごとにエリア顧客のニーズに対応した仕入れをしているため取り扱い商品に大きな違いがあります。)
※2021年にステュディオスのオリジナル商品は廃止されたが2024年より復活。
ステュディオスの魅力⑤「他とは一味ちがうショップ店員さん」
「このテーラードジャケットは岐阜の老夫婦が2人でやっている工房に作ってもらってるので生産数がすごく少ないんですよ。2人でのんびりやってるから大量生産はお断り。数着単位でしか作れないという条件のもと、破格で仕入れることができたんですよ」そんな、従来の大規模セレクトショップではなかなか聞けない生々しい裏話が聞けるのもステュディオスの魅力だ。それもそのはず、ステュディオスの販売員は、お客さんがいない時間などの合間をぬってバイヤーをしたり展示会まわりをしたりと、販売以外の仕事も行っているという。これは「単なるアパレル販売のプロではなく、個人店のオーナーのような総合力のある人材を育てる」「お客さんがほとんどいない時間帯に販売員が3人..というようなアパレルショップにありがちな非効率な時間を利用して従業員に経験を積ませる」「本社にだけ優秀な人材や、やりがいのある仕事が集中するのを防ぐ」という同社の方針から生まれた特徴だそう。
また「渋谷手当」と呼ばれる渋谷から2km圏内に住むと3万円の住宅補助がでるというサイバーエージェントを参考にした社内システムがあり、どこの店舗勤務だとしても流行先端の渋谷に住むことを推奨、センスを磨きやすい環境づくりをしているのだという。
ステュディオスの魅力⑥「良くも悪くも人を選ぶ細身なデザインが特徴!」
ステュディオスのPB商品、セレクトしたブランド商品とも細身のデザインを採用したものも多い。太っていると似合わないというよりも着ることさえ難しい商品も。顧客規模を追い求めると「老若男女、痩せ型から肥満まで誰でも着られる無難なシルエット」にせざるをえずタイトシルエットな服は作りにくいですが、ステュディオスの服はターゲット顧客の体型を細身に絞ることによって「誰にでも着られないかわりに細身の人には限りなく似合う」という特徴をもっているのだという。「既製服だと胴回りが余る」という方には特におすすめかも。
ステュディオス公式HP:http://studious.co.jp/