身近な飲み物であるコーヒーが、実はダイエットに有効だという話をご存じだろうか？日常のコーヒーブレイクを手軽なダイエットタイムに変えることができたら、嬉しいことはないだろう。今回はダイエットとコーヒーについて、その効果や注意点、どんなコーヒーを選ぶべきかについて紹介する。
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コーヒーにはダイエット効果があるって本当？
コーヒーがダイエットに直接的な効果があるという研究はなく、どうやら科学的根拠は薄いようだ。しかし、コーヒーと健康との関係についての研究は数多く行われている。コーヒーの脂肪肝の抑制についての研究、コーヒーと糖尿病の関係についての研究、コーヒーとアンチエイジングの関連の研究など枚挙にいとまがない。そういった数ある研究のなかで特に着目すべきは、コーヒーが自律神経を刺激し、それによって脂肪の代謝が高まるという研究発表だ。また、コーヒーに含まれる2つの成分がダイエット効果をもたらすとも言われている。
コーヒーに含まれる２つの成分がダイエットをサポートする！
コーヒーにはダイエットに効果のある成分が2つ含まれている。それはカフェインとクロロゲン酸と呼ばれる成分だ。それぞれの成分はどんな効果をもたらすのだろうか。
コーヒーの代表的な成分“カフェイン”が脂肪燃焼を促進する！
カフェインはコーヒーの最も特徴的な成分で、基礎代謝を上げて脂肪の燃焼を促進する効果があることが明らかになっている。カフェインを摂取することで交感神経が刺激されると、アドレナリンが分泌される。アドレナリンは内臓脂肪の分解を促すため、ダイエット効果があると言われているのだ。その他にも覚醒作用や解熱鎮痛作用があり、眠気、倦怠感、頭痛に対する効果がある医薬品としても使用されている。
ダイエット効果のある“クロロゲン酸”が豊富！
クロロゲン酸とはポリフェノールの一種で、抗酸化作用のほか、脂肪の蓄積を抑える効果が知られている。糖質を分解する酵素を阻害する働きがあり、糖質の吸収を緩やかにすることで、余分な脂肪が付きにくくなるのだ。また、体内の脂肪分や新たに発生した脂肪を燃焼させる効果も。インスリン分泌を亢進する効果もあり、糖尿病を予防する可能性があるという研究も発表されている。
コーヒーのダイエット効果を高める3つの方法とは？
ダイエットに有効なコーヒーだが、何気なく飲んでしまうとその効果を軽減させてしまう可能性も。そこで、効果的な飲み方について重要なポイントを紹介する。
ダイエット効果を高める方法①「ミルクや砂糖を入れずブラックで飲むべし！」
ダイエット目的でコーヒーを嗜むのであれば、ミルクや砂糖を入れず、無糖のブラックコーヒーにするのが好ましい。ブラックコーヒーのカロリーは100gあたり4kcalと低いことがその理由だ。その一方で、シロップや砂糖、ミルクが使われているフラペチーノ、キャラメルマキアート等はカロリーが高くダイエットには向かないため注意しよう。
ダイエット効果を高める方法②「食後や運動前に飲むのがベストタイミング！」
コーヒーを飲むタイミングは食後30分以内、もしくは運動前がおすすめだ。食後の場合、コーヒーに含まれるカフェインとクロロゲン酸には胃液の分泌を促す効果があり、食後に飲むと胃酸の分泌が促され、スムーズな消化につながる。運動前に飲むと運動中の脂肪利用が促進され、脂肪燃焼効果を高めてくれる。個人差はあるがカフェインを摂取してからおよそ0.5～2時間ほどで効果が現れるため、時間を合わせて飲むとよい。
ダイエット効果を高める方法③「代謝を上げるためにホットで飲むのが◎」
コーヒーに限った話ではないが、温かい飲み物を飲んで体温を上げることが重要だ。体温が上がると内臓の働きが活発になって代謝が上がり、ダイエット効果が高まる。とはいえ、カフェインとクロロゲン酸を効果的に抽出できる温度は80度と言われているため、熱すぎるコーヒーは避けた方が良さそうだ。
ダイエット目的でコーヒーを飲む際の注意点とは？
カフェインはダイエットに効果的ではあるが、1日あたりのカフェインの摂取量には上限の目安があるため注意しよう。米国基準ではあるが、1日の上限は400mgで、コーヒー1杯あたり60mg程度のカフェインが含まれているとすると、5杯分に相当する。また、コーヒーに含まれる成分は胃液の分泌を活性化するため、摂りすぎると胃に負担をかける恐れも。なお、カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される一日当たりの摂取許容量については、個人差が大きいことなどから、日本だけでなく国際的に設けられていない。コーヒーの1日あたりの適量は2~3杯程度。飲み過ぎには注意しよう。
ちなみに、ブラックコーヒー1杯あたりのカロリーは8kcalと言われているため、飲み過ぎたとしても太ることはそう無いだろう。しかし、ミルクや砂糖、ガムシロップなどを添加してしまえばカロリーが増えることは言うまでもない。ミルクや砂糖を入れる量にもよるが、1杯あたり20~50kcalほどになるため、甘くしないと飲めないという場合は飲み過ぎに注意しよう。
ダイエット効果だけじゃない！コーヒーには他にも嬉しいメリットが沢山
コーヒーにはダイエット以外にもメリットがあり、健康や美容に関連する様々な効果が知られている。この項では、そんな主なメリットを紹介していく。
①リラックス効果
カフェインは脳や交感神経を刺激するため、気分転換や集中力を高める効果が期待できる。コーヒーの香りについての研究があり、コーヒーの香りをかいだ人の脳波を調べると、香りをかいでいない人に比べリラックスしたときに出る脳波が増加したという結果も得られている。コーヒーにはアロマ的な効果が期待できるのだ。
②糖尿病の発症リスクを下げる効果
糖尿病はインスリンというホルモンが足りなくなったり、細胞にうまく作用しなくなってしまうことが原因として知られる。そのインスリンを制御する器官の機能を上げるのにカフェインが一役買うと言われており、それに伴ってコーヒーが糖尿病予防に効果的だとされているのだ。また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸には食後の血糖値の上昇を抑える効果もあるため、糖尿病の発症リスクを下げることができる。
③むくみ取りの効果
カフェインによる利尿作用でむくみ解消も期待できる。むくみとは身体に水分が溜まりすぎている状態のことを指すが、利尿作用によって体外への排出を促すのだ。コーヒーは自律神経に働きかけて交感神経の動きを活発にするため、体内の水分が循環することで身体の水分バランスを保てる。
ダイエットに適したコーヒーの選び方とは？
コーヒーを選ぶ際に重視するべきポイントは大きく2つある。クロロゲン酸の含有量が多い浅煎り豆を使っていることと、ドリップで飲むことだ。クロロゲン酸は焙煎されると分解され減少してしまう。そのため深煎り豆より、焙煎時間の短い浅煎り豆の方がクロロゲン酸の含有量が多く、よりダイエット効果が期待できる。また、インスタントコーヒーよりもドリップコーヒーの方がわずかながらクロロゲン酸を多く含むことが分かっているため、ドリップで飲むことをおすすめしたい。手軽なインスタントと比べて、ドリップはフィルターを使う必要があり面倒に感じるかもしれない。しかし、一手間かけてあげることでダイエット効果はより一層高まるため、トライしてみる価値はあるだろう。
