起床時の胃の不快感や睡眠不足感の主な原因は、寝る前に飲み食いした物。食べてはいけないと分かっていながら空腹に耐えられず夜食を摂ってしまう方は多いのではないだろうか。今回はそんな「寝る前に摂ってはいけない食べ物&飲み物」をテーマに、とくに避けるべき飲食料を理由と併せて解説する。
2001年に自治医科大学卒業後、三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、公立紀南病院で勤務。2010年にすずきこどもクリニックを開院。
スポンサーリンク
基本的には寝る2〜3時間前に食事を済ませておくのが正解
基本的に寝る2~3時間前には、どんな内容でも食事を終わらせておくのが胃腸を労わるために大切だ。では2~3時間前なら何でも食べ飲みして良いのか?というと、そうはならない。例えば油が多いものや酸度が強いものは胃腸に負担をかけ、カフェインやアルコールといった成分は覚醒作用を何時間ももたらす恐れがある。よって質の良い睡眠を得るためには、食品に含まれている成分を見定めて摂るべき物を決めるのが重要になる。
寝る前にお腹が空いてしまった場合は?
どうしても寝る前にお腹が空いてしまった場合は、温かい飲み物をゆっくり飲むのがおすすめ。とくにピッタリなのがホットミルクで、牛乳に含まれるビタミンB12によって自律神経が整い、トリプトファンが脳内物質のセロトニンを生成して鎮静効果を生み出すと言われている。また、温かいハーブティーやお茶にもリラックス効果が期待できるので試してほしい。ちなみにお茶類はカフェインが含まれている場合があるので、カフェインレスを選ぶのがマストだ。
筋トレした日の寝る直前の食事は?
枯渇したエネルギーを補給するだけでなく、筋肉を生成するために栄養補給は欠かせないため、就寝前でも食事をすることが勧められている。しかし消化に悪い物は胃腸に負担をかけ、栄養をうまく吸収できなくなる恐れがあるので要注意。もし寝る前に食事をとるなら、胃腸に負担をかけずに速やかに栄養を吸収できるお粥やうどん、食物繊維が少ない温野菜やプロテインがおすすめだ。
寝る前に食べてはいけない食べ物5選!
ここでは寝る前にNGの食べ物を5種類紹介する。ボディメイクに欠かせない食品や栄養価が高い食品ばかりだが、食べるタイミングが悪いと逆に健康を損ねるきっかけになってしまうので注意してほしい。
寝る前のNG食べ物①「ブロッコリー」
トレーニーに愛されているブロッコリーは健康食材のイメージが強いが、食べるタイミングによっては胃腸の健康状態を損ねる原因になり兼ねない。ブロッコリーを含むアブラナ科の植物は不溶性食物繊維を沢山含んでいるので、寝る前に食べてしまうと消化不良を起こす恐れが。したがって、ブロッコリーの豊富な栄養素を100%生かすならば朝食や昼食、それか寝る4~5時間前の夕食に摂るようにしよう。
寝る前のNG食べ物②「トマト」
おやつ感覚で食べられて、しかも栄養たっぷりなことから人気の高いトマトだが、酸が強いので寝る前はNG。寝る前に酸が強い食品を食べてしまうと、胸やけを起こしてしまうためだ。とくに注意したいのがトマトソース。コンビニやスーパーでもよく目にするトマトソースパスタやピザには油も沢山使われており、より胃腸に負担をかけるので控えよう。同じ理由で、酸味を強く感じる野菜やフルーツも注意。
寝る前のNG食べ物③「肉類」
肉類を寝る前に食べない方がいい理由は、消化に時間がかかり胃腸に負担をかけるためだ。肉に含まれるタンパク質はダイエットや筋トレでは欠かせない成分だが、それと同様にカラダを休ませることも大事なので、寝ている最中も胃腸が稼働しなければならない肉類は避けるべき。また、脂身がある部位だと、その脂質によって胃もたれを起こしやすいのでなおさら注意が必要。たとえディナーをヘルシーなサラダチキンにする予定だとしても、なるべく早めの食事を心がけよう。
寝る前のNG食べ物④「加工肉やチーズ」
ハムやソーセージなどの加工肉やチーズには、目を覚めやすくするチラミンとアミノ酸が豊富に含まれているので注意。またこれら加工品は脂質や塩分が多い製品が多いので、健康のことを考えるなら昼夜問わず食べすぎには気をつけたいところ。夜におつまみとしてお酒を嗜むにはベストな食べ物だが、睡眠の質を良くしたいなら朝や昼に摂るようにしよう。
寝る前のNG食べ物⑤「チョコレート」
ダークチョコレートにはカフェインやアミノ酸が含まれているので睡眠の質を下げてしまう恐れがある。これらの成分はエネルギーを活性化させる働きがあるので、力を出したい日中に摂るようにしよう。ちなみに、甘めのチョコレートにはカフェインは控えめの製品もあるが、その分大量の砂糖が含まれているので同じくNG。
2/2GO TO NEXT PAGE