丸型ベゼルをビスで打ち留めるという独創的なデザインが特徴のウブロ(HUBLOT)。「成功者が巻く時計」とも言われ、多くの王室関係者やアスリート、セレブ達がこのブランドの腕時計を愛用していることで知られる。今回は成功者はもちろん、成功を目指す男たちの憧れ「ウブロ」の魅力について紹介する!
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ウブロとは?
1979年にイタリア人のカルロ・クロッコが創立したウブロ。競合ひしめくスイス時計界に突如現れたこの新参ブランドは1980年、ゴールドケースにラバーストラップを組み合わせるという常識を覆すデザインの腕時計でバーゼルデビューを果たす。
斬新で先進的なデザインを掲げたウブロの時計は、クオーツショックで打撃を受け、瀕死の状態にあったスイスの時計界を救出したとも言われる。しかし、異彩を放つそのデザインは異端児扱いされ、老舗ブランドからの批判の対象にもなった。
当時、スタイリッシュでモダンなウブロの感性を積極的に歓迎したのは、スイスではなくイタリアのファッション業界だった。ジョルジオ・アルマーニやルチアーノ・ベネトンといったデザイナーに支持されたことを皮切りに、ヨーロッパから世界へと着実に評価を獲得していく。
大きな転機を迎えたのは2004年、時計界の名手ジャン・クロード・ビバーをCEOに迎えたことだ。翌年の2005年、スイス伝統のデザインと先鋭的なデザインを融合した”フュージョン(融合)”のコンセプトの元、「ビッグ・バン」をリリース。これが記録的な大ヒットを巻き起こす。
2012年にはF1、2014年にはFIFAワールドカップなど、数々のスポーツ大会でオフィシャルタイムキーパーの役割を務めることとなり、そのデザインや実用性は世界的に認められる。かつて”異端”と呼ばれたウブロ。現在は時計界屈指のトップブランドへと成長を遂げたが、常に四半世紀先の時流を見据えるそのスタイルは今も変わることはない。
ウブロの魅力「クリエイティブなデザイン」
革新的でクリエイティブなデザインは、ウブロ最大の魅力と言えるだろう。
ブランド名の「HUBLOT」は、フランス語で「舷窓」を意味する。船の側面に備えられる採光用の小窓、これこそがウブロのデザインの源泉だ。
舷窓同様に丸型のベゼルをビスで留めたスタイルは、独創的でありながら奇抜さは感じず、腕時計というアイテムに不思議なほど溶け込んでいる。ウブロの時計は、醸し出される気品の高さからヨーロッパでは王族の愛用者も多く、”王の時計”とも呼ばれるのだ。
代表作の「ビッグ・バン」や機能美に溢れた「キング・パワー」、創業当時のモデルを再構築した「クラシック・フュージョン」など、魅力的なモデルを多数展開するウブロ。それら代表モデルのほとんどに採用されている舷窓のデザインコンセプトは、ひと目で”ウブロの腕時計”と認識されると同時に、高いステータスの証明にもなる。
創業時からの代名詞でもあるウブロのラバーストラップは、ゴールドケースの高級感を抑える意味で採用された。センセーショナルだった当時のこの仕様は現在でも受け継がれており、控えめなラバーストラップが、高級感溢れるケースの存在感を最大限に際立たせる。また、2004年以前のモデルに採用されていたラバーストラップは、バニラの香りがすることでも話題を呼んでいた。※限られた商品を除き現在のモデルに香りはついていない。バニラの香りがするものはフェイク品である可能性が高いので注意!
ウブロの魅力「”時計界のスティーブ・ジョブズ”ジャン・クロード・ビバーとビッグ・バン」
この人物を抜きにしてウブロは語れない。それほどまでにジャン・クロード・ビバーは、ウブロ躍進に大きく貢献した。
「スイス時計界のカリスマ」、「時計界のスティーブ・ジョブズ」など、数々の異名を持つビバー氏。1970年代後半、オーデマ・ピゲで下積みをしたのち、オメガのプロダクトマネージャーに就任。その後、1982年にブランパンの名義を買い取り、長い休眠状態にあったこのブランドを再興させた。10年ぶりのオメガに戻ったあとも、新製品の開発とともに、ミハエル・シューマッハ、ピアース・ブロスナンなどの有名人を起用し、下火にあったオメガ復活の立役者となる。
ビバー氏がウブロのCEOに着任したのは2004年。それ以前のウブロは、ファッショナブルなデザインである程度のファンは獲得していたものの、時計ブランドとしては異端。あくまでニッチな、小規模ブランドだった。ビバー氏は、ウブロが元々持ち合わせていた魅力を最大限活かすコンセプトを打ち出す。それが「融合の技術(The Art of Smelt)」である。
CEOに就任してからわずか1年、2005年のバーゼルワールドで披露された「ビッグ・バン」はまさに融合の賜物であった。ステンレスやゴールド、そしてセラミックやチタンという、異なる素材を融合せさせたケースを持つこのモデルは、たちまち成功を収め、数々の賞を受賞。現在でもウブロのフラッグシップモデルとして君臨する。
2012年、ウブロをトップブランドへと牽引したビバー氏は、右腕であったリッカルド・グアダルーペ氏にCEOの座を託し、自身は会長職に就任。現在はLVMHグループウォッチ部門の責任者に任命され、タグ・ホイヤー、ウブロ、ゼニスを統括する立場にある。
ウブロの魅力「多くのアスリートや有名人が愛用」
ビバー氏もといウブロの戦略は、マーケティング面においても優れている。2008年にヨーロピアンチャンピオンシップの「公式タイムキーパー」を務めたことを皮切りに、2010年にはフェラーリの「公式ウォッチ」と「公式タイムキーパー」を、さらに2014年にはFIFAワールドカップの「公式ウォッチ」と「公式タイムキーパー」を務めた。その他にも欧州サッカーの頂点を決めるEURO(ユーロ)や、2015年のWBSCプレミア12のオフィシャルスポンサーを獲得。スポーツ大会を多く支援することで、世界的に認知されることとなった。
また、ディエゴ・マラドーナ、ウサイン・ボルト、香川真司など、”融合”の名の下に多彩なコラボレーションモデルを展開している。アンバサダーを含め、業界問わず多くのセレブが愛用しているのも特徴だ。クリスティアーノ・ロナウド、ネイマール、メイウェザー、コービー・ブライアント、JAY-Z、50セントなどなど、挙げるとキリがない。”成功を掴んだ者が巻く時計”としてのイメージを打ち立てることに成功している(実際に「成功者はなぜウブロの時計に惹かれるのか。」という本まで出版されているぐらいだ)。
ウブロの独創的なデザイン。それは、一歩間違えば一部のマニアにしかウケない”変わり種”として定着してしまう危険性を持っていた。しかし、天才的なブランド戦略と成功者達の支持により、その危険性を回避するどころか、”最高峰のステータスの象徴”としてのイメージを定着させることに成功したのだ。
▶︎ウブロの定番モデル紹介
ウブロ「ビッグ・バン エボリューション」
高級感に溢れた18Kレッドゴールドにセラミックベゼル、リアルカーボンの文字盤、そしてケースサイドに配されたブラックグラスファイバー。これらの素材を最大限際立てるラバーストラップ。伝統の技術力と様々な素材を融合させた、まさに”フュージョン”を象徴する王道コレクションだ。ビッグ・バンにはあらゆる素材を使用したモデル展開があり、フレームにダイヤを埋めた、500万円を超える豪華モデルも存在する。
ウブロ「キング・パワー ウニコ ブラックマジック」
ビッグ・バンの進化形とも言われる「キング・パワー」のブラックモデル。自社製ムーブメント「UNICO」を採用することにより、GMT機能を搭載している。ベゼルや文字盤に配された世界各国の時刻を、アルミ製の回転ディスクで瞬時に読み取ることが可能。48mmの大型ケースは、ただデカ厚なだけでなく、ウブロならではの立体的なフォルムで抜群の存在感を発揮する。
ウブロ「クラシック・フュージョン チタニウム」
1980年代初めに製作されたごく初期のタイムピースから着想を得て誕生したモデル。ビッグ・バンから始まった”フュージョン”のコンセプトは、この「クラシック・フュージョン」によって過去と未来を融合させるにまで至った。現代的でアバンギャルドなウブロらしいシルエットを保ちつつ、繊細でクラシックな表情も見せる至高のデザイン。