肌の悩みで特に多くの男性が抱えているのが「シミ」。周りから指摘されたり、同年代の人の肌を見て自分の老いを実感したりと、シミが気になり始めた人も少なくないはず。まだシミを気にしていない方は、これからの生活や肌ケア次第で将来のシミ事情に明暗が分かれることを覚えておきたい。そこで今回は、すでにできてしまったシミと、これからのシミ予防を同時に対策し、自分でできるケア方法を紹介する。
スポンサーリンク
実は大きく第一印象を左右する「シミ」シミがあると○○○○○がダダ下がり
小林製薬のアンケート調査によると、40〜50代男性の肌悩みで一番多いのが「シミ」。顔にシミができると、肌のくすみや色むらを引き起こし、実年齢以上に老けた印象を与えてしまうゆえだろう。年齢を感じさせる目立つ特徴であるため、見た目年齢を気にする方にとってシミは大きな悩みの一つに。(参考:小林製薬ニュースリリース)
さらに、シミが目立つと疲れて見えたり不健康な印象を与えることがあるため、特にビジネスシーンや対人関係を重視する人にとっては、第一印象に悪影響を及ぼす可能性もある。また、「シミを気にすること」は自己肯定感にも影響が。自分の年齢や疲れ感を自覚することでネガティブな感情になってしまい、自己肯定感がダダ下がりになってしまう可能性も。逆に、肌をケアしていると自分に自信が持てるし、その自信は第一印象にもあらわれる。「自分を労わること」は自己肯定感を高めることにもつながるのだ。
「今はまだシミは気になっていない」という人も要注意!特に、若いころ日焼けをしていた(気にしていなかった)人や、スキンケアをあまりしてこなかった人は、いわゆる「隠れシミ」がある状態かも。紫外線や肌へのダメージが蓄積していると、年齢を重ねることでシミとして顕在化するパターンもある。今、シミを気にしていなくてこの記事を読んでいる人は本当にラッキー。10年、20年後の将来の美肌のため、そして自信を持つために今からシミ対策を始めよう。
敵を知るための基礎知識1シミの4つの種類
例えば車が故障して修理をするとなっても、まずはどのメーカー(種類)の車なのか、故障の発生原因は何なのかを知らないとメンテナンスのしようがない。シミ対策もそれと同じで、シミを薄くする、予防するという目標を達成するためには「シミとは何なのか」や、シミ発生のメカニズムを知らなければならない。
「シミ」とは、肌に現れる茶色や黒っぽい色の斑点で、一般的に「色素沈着」とも呼ばれる現象。シミを一括りに捉えている人も多いが、実はシミには大きく分けて4つの種類があり、それぞれ原因や特徴が異なる。まずはシミの種類を理解し、正しいケアや予防法を行うことが大切!
老人性色素斑 | 紫外線による肌へのダメージが蓄積することでできる茶色いシミで、一般的に加齢に伴って現れやすくなる。顔や手、腕など日光にさらされやすい部位にできやすいのが特徴。 |
炎症後色素沈着 | ニキビやカミソリ負けの傷、火傷などの肌の炎症が治った後に、茶色や黒色の跡(シミ)として残るもの。肌の再生過程でメラニンが過剰に生成され、色素が沈着することで現れる。 |
肝斑(かんぱん) | ホルモンバランスの影響で発生する左右対称の薄茶色のシミで、特に頬や額、口の周りに見られる。女性ホルモンが関係しているとされる。 |
そばかす | 遺伝的な要素でできる小さな斑点状の茶色のシミで、特に鼻や頬などに現れやすいのが特徴。子ども時代から現れることが多いが、紫外線に当たると濃くなりやすく、後天的に現れることも。 |
敵を知るための基礎知識2シミ発生のメカニズムとは
シミがどのように発生するのか知らないまま、闇雲に対策をするのは賢明でない。シミがどのように発生しているのか、メカニズムを知ることで、敵を増やさない対策を賢く選べるようになる。
人間の皮膚は、一番外側にある「表皮」と、その内側の「真皮」によって構成されている。このうち、シミの発生に深く関わるのが表皮。表皮は「ケラチノサイト(表皮細胞)」と、表皮の一番下に位置する「基底層」にある「メラノサイト(色素細胞)」などから成り立っている。紫外線を浴びるとチロシナーゼという酵素が活性化し、メラノサイト内でメラニン色素が生成され、このメラニンは、ケラチノサイトに受け渡され、細胞核を紫外線から保護する役割を果たす。また、皮膚の細胞は約6週間ごとに新しい細胞へと生まれ変わる「ターンオーバー(新陳代謝)」を繰り返している。基底層の細胞が分裂しながら皮膚表面に向かって押し上げられ、最終的には表面からはがれ落ちる仕組み。したがって、紫外線を浴びて生成されたメラニンも、約6週間のサイクルで役割を終え、古い細胞とともにはがれ落ちていく。
ターンオーバーのサイクルが乱れるとメラニン色素が沈着してシミに
通常、メラニンは肌のターンオーバーによって自然に排出されるが、メラニンが過剰に作られたり、ターンオーバーが滞ったりすると、メラニンが肌に残留し、色素沈着つまり「シミ」になる。
シミの主な原因は紫外線。長年の紫外線の蓄積により肌がダメージを受け、皮膚細胞の再生力が低下すると、メラニンを外に排出する力も衰え、シミが定着しやすくなる。また、喫煙やストレスは活性酸素を増やし、老化を促進する要因に。増加した活性酸素はメラノサイトを刺激してメラニンの過剰産生を引き起こしやすくする。さらに、不規則な生活や寝不足、過労による血行不良もメラニンの排出を遅らせ、シミの形成を助長する要因に。
敵を知るための基礎知識3シミは「レーザーで消せば終わり」じゃない!
ターンオーバーの乱れや、肌のダメージによるシミ(老人性色素斑、炎症後色素沈着)は、日々の生活やスキンケアが大きく関わっている。ただ、スキンケアによるシミ対策はあくまで「予防」や「メラニン生成の抑制」。濃いシミの場合、シミを薄くするのに時間がかかったり、体質によってはシミが消えない可能性もある。手っ取り早く確実にシミを取りたい方におすすめなのが、美容皮膚科などでの処置。シミ治療には、ピコレーザーやIPL光治療等の種類があるため、医師に相談し、自分のシミの種類に合った処置をしてもらおう。
しかし、実はシミは「レーザーで消せばそれで終わり」とはいかない。レーザーを当て敏感になっている部分に紫外線が当たるとそれがまたシミになったり、レーザー後にスキンケアを怠ると後天的なシミができる可能性もある。そのため、クリニックで処置した後も紫外線対策やスキンケア等は必須。結論、どのシミに対しても、日常的なケアが超重要であることには変わりない。
シミのメカニズムを考慮すると、ターンオーバーのサイクルを整えること、紫外線対策をすること、今あるシミには集中的なケアをすることがシミ対策で重要になる。これらを行うことは、今あるシミに対しても、そして未来のシミを予防するのにも効果的だ。
敵を知るための基礎知識4即効性を求めるのは間違い!シミとの戦いは長期戦で
シミを気にしている人で多いのが、シミケア美容液などを購入したはいいものの効果があまり見られないと、即効性を求めてすぐに諦めてしまう人。シミは一朝一夕には薄くならない。「基礎知識2」で述べたように、シミは肌の一番外側の層にだけあるわけではなく、日々の紫外線やターンオーバーの乱れにより、皮膚の深い層にメラニンが留まっている場合がある。ターンオーバーを整えることによって、上の層のメラニンが表皮とともに排出されても、メラニンの発生を抑制しないとシミは薄くなっていかない。そのため、念頭に置いておきたいのが「シミケアの習慣化」と「長期的な目線」。すぐに断念するのではなく、長いスパンで捉えて「自分の肌を労わる」ことを意識し、ケアを習慣化するのが結局は近道になる。
では、実際にどのようなシミ対策をすればいいのか。ここからは、自分でできるケアについて具体的に紹介していく。
シミ対策 セルフケア1肌のターンオーバーを整える
・ビタミンB2を中心とするビタミン類の補給
肌荒れを緩和するには、少しでも早く正しいターンオーバーのリズムを取り戻すことが最も重要。「皮膚や粘膜に必要なビタミン」「エネルギー代謝を促進するビタミン」と呼ばれるビタミンB2をはじめ、ターンオーバーに必要な栄養素を食事を摂ったり、iHerbなどで売っているサプリメントで十分に補給しよう。
【ビタミンB2を多く含む食品例】
鮭、鱒類・鰻・マグロ・レバー・卵・牛乳・納豆・乳製品・ブロッコリー・シイタケ・アボカドなど
・十分な睡眠をとる
肌のターンオーバーは、睡眠も大きく影響する。諸説あるが、肌の修復で重要な役割を果たす「成長ホルモン」が多く分泌される“肌のゴールデンタイム”は、午後10時から午前2時頃だと言われている。ただ、このホルモンが分泌される時間は「眠りに入ってから最初の深い眠りのタイミング(入眠後3時間程度)」とされており、必ずしも夜10時から深夜2時に限られるわけではない。そのため、自分の生活リズムに合ったタイミングで質の良い睡眠をとることが大事だ。
・正しい洗顔とスキンケアでしっかり対策
洗顔を何度もしたり、強く擦ったり、熱いお湯で洗うと、肌に必要な角質や皮脂まで落ちてしまう。これは肌のターンオーバーを乱す大きな原因となる。洗浄力が強すぎる洗顔料は避け、泡立てネットでしっかり泡立てた後に優しく洗顔。ぬるま湯で泡をしっかり流し、タオルで拭く際は押さえるように、絶対にゴシゴシ擦らないことが大事だ。男性の場合、髭剃りのダメージにも注意。また、洗顔後は化粧水でしっかり保湿し、乳液やクリームで肌表面をしっかりカバーしよう。毎日の正しいスキンケアを続けることで、肌の保水力を高め、結果的にターンオーバーを整えることができる。
シミ対策 セルフケア2“夏だけ”は本当はNG!一年を通して十分な日焼け対策を心がける
紫外線により日焼けが起こると、肌はそのダメージを早く回復させようとするため、ターンオーバーが早まりサイクルリズム場合が乱れることも(肌のターンオーバーが早すぎる場合は、肌細胞が未熟なまま上に押し上げられ、正常な角化が行われないことがある)。日常生活では日焼け止めを塗ったり、日傘やサングラスなどで肌に直射日光が当たらないようにすることが大切だ。日差しが強い夏は日焼け止めを塗っていても、秋冬は日焼け止めを塗らないという男性も多いのでは?秋冬シーズンは夏と比べて紫外線が弱まるのは事実だが、完全にゼロになることはない。そのため、一年を通して日焼け止めを使用することがシミ対策において超重要になる。
シミ対策 セルフケア3スキンケアもシミ対策のものを選択
スキンケアにこだわりたい場合、シミ対策にフォーカスしているアイテムを積極的に選ぶのも一つの手だ。シミケアを目的にスキンケアアイテムを選ぶ際、注目したい成分やポイントをおさえよう。
・美白有効成分
シミの原因となるメラニンの生成を抑制する成分が含まれているかを確認しよう。代表的な美白有効成分は、ビタミンC誘導体、アルブチン、トラネキサム酸、カモミラETなどがある。これらはメラニン生成を抑制したり、すでにできてしまったメラニンを分解する効果に期待できる。
・保湿力
肌のターンオーバーを正常に保つためには保湿が不可欠。乾燥した肌はシミができやすくなるため、ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなどの保湿成分が配合されているものを選ぶと、肌の保水力が高まる。
・医薬部外品(薬用)
美白効果を謳う化粧水で「医薬部外品(薬用)」と表記されているものは、有効成分の効能が認められているため、シミ対策として選ぶ際に信頼性が高いといえる。ドラックストアで探す際は、「シミ予防」と謳われている医薬部外品をチェックしよう。
シミ対策 セルフケア4もうできてしまったシミにはスポットケア
男のシミケアを本気で追求するなら、広範囲をカバーできる美白美容液も効果的だが、ピンポイントでケアしたい場合は「スポットケア」が有効だ。シミができる部分は、いわばメラニンが過剰に反応しエラーを起こしている箇所。普通の美容液ではなく、濃厚なクリームタイプのスポット美容液を使用することで、しっかりと集中的にケアできる。おすすめは、シミにピンポイントで塗りやすい小さなチューブやスティックタイプ。扱いやすい形状で、狙った箇所に正確に塗布できるのが魅力だ。ただし、効果を焦って強く塗り込むのは禁物。薬指を使ってやさしくトントンと叩き込むように馴染ませ、じっくりと浸透させよう。時間をかけて丁寧にケアすることが、シミケアアイテムの効果を最大限に引き出すポイント。